「誰も悪くない」桃太郎の物語

桃から生まれたくせに、「桃」が大嫌いな太郎。
そんな彼が出会ったのは、唯一無二の親友と、困窮した仲間と、妖艶な美貌を持つ仲間。
やがて太郎は町に出て店で看板となるほど人気になり、
唯一無二の親友には、想い人が出来る。
けれど働いている店の一人娘の様子がおかしくなって……。
太郎と仲間たちは、「鬼ヶ島」へゆくことに。

見事な伏線回収。
「誰も悪くない」からこそ、残酷で切ない世界。

かつて桃太郎の物語で、ここまで心動かされたことはあっただろうか。

どうか、彼らの行く末が幸福で充ちたものでありますよう、読み終わった私はその後を想像するのです。

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