第6話 同棲
【
「スー……スー……」
「
気持ちよさそうに寝ている睦月を起こすのは申し訳ないがせっかくのカレードリアが覚めてしまうので体を揺らして起こす。
「……悠月。おはよ」
「おはよう。カレードリアできてるよ」
「うん。……あ、昨日は、ガッツいてごめん」
顔をうっすら赤くして申し訳なさそうに言う睦月。
「……い、いや、恥ずかしかったけど嬉しかったから、大丈夫」
大丈夫ってなんだ。
「そ、そう。良かった」
「……」
「……」
き、気まずい……。
「ほ、ほら、カレードリア冷めちゃうから」
「か、顔洗ってくるね」
ダッと洗面所に走る睦月。
うん。寝起きの睦月も可愛いな。
―――
「これは……チーズに温玉?」
「美味しいかなって」
「美味しいに決まってるじゃない……うま」
温玉チーズ乗せカレードリアを2人で貪る様に食べる。寝起きだからお腹が減っていた。
―――
「今日は一日中ゴロゴロします。パジャマから着替えません」
「いいね」
ゴロゴロ最高。
「あ、その前にいいかしら」
「ん?」
「……同棲しましょう?」
嬉しくて泣きそう。
「いや唐突。いいけどさ」
「え」
予想外の答えを貰ったのか、固まる睦月。
なんかデジャブ。
「この家広いし。睦月が住みたいなら住んでもいいけど。あ、でも挨拶とか行かなきゃか」
「……家賃は一体いくら払えば」
「いや、家賃払ってないよ。持ち家だよこの家」
「……悠月ってまさかのおぼっちゃまなの?家は普通の一軒家だったわよね?」
「おぼっちゃまなんかじゃないよ。じいちゃんが大家でこのアパートを所有してるだけ。偶然空きができたからタダで住ませてやるって」
「なるほど。……でもそれって私勝手に住んでもいいのかしら」
「ちょっと聞くね」
―――
「いいって」
「早いわね」
「それでご両親への挨拶はいつ行ったらいい?」
「待って、ちょっと待ってあまりの急展開に脳が」
「待つよ」
「とりあえず親に連絡するわ」
「分かった」
―――
「今からでも全然いいって」
「行こう」
「……初めてした日の次の日にいきなり同棲って言ってその日のうちに親に挨拶しに行くとは思わなかったわ。なんかもう私の家にわざわざ送ってもらって迷惑かけて帰りたくないしイチャイチャしてもよくなったから言ったんだけれど」
「今日解約申し入れするとして……明日から住む?解約する為のお金は出すけど」
注※(多くの賃貸(アパートとか)の契約を解約する方法は一か月前に解約予告をするか、解約の申し入れをした日から一ヶ月分の家賃を払えば解約できます。
「いやいや2万9千円くらいは自分で出すわ」
「え、いや俺出すけど」
「……そんなに早く私と住みたいの?」
「そりゃ、好きな人と住めるならなるべく早くがいいじゃん。待てと言われたら待つけど」
「……確かに……じゃあ明日からで」
「分かった」
ゴロゴロする予定だったのだがめちゃくちゃ忙しくなりそうだった。
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