第11話 絶対遵守
【
大学の駐車場に車を停めて、一限のある教室に向かう。
「学校が近いって素晴らしいわね……」
「あぁ、睦月の家学校から少し遠かったからね」
「これからはもっとゆっくり寝れるわ。でも、習慣づいてるから多分起きてしまうのだろうけど。まぁ……そのおかげで今日の朝は悠月で遊べたけど」
口元を少しニヤつかせた睦月が見てくる。
「……反撃したけど」
「アレは……知っててやったのかしら?」
アレとは俺が睦月に抱きついたり頭を撫でたりした事を言っているのだろう。
「うん」
と、頷くと
「……」
無言で握っていた手をぎゅうっっとキツく絞められる。
「痛い痛い」
実際可愛いだけで全然痛くないのだが。むしろ嬉しい。
「……明日は落書きしてやろうかしら。油性のマジックペンで。おでこに肉って」
「ごめんなさい」
「なんでもするって言ったら許すわ」
「なんでもする」
「許すわ」
「……俺は一体何をさせられるのでしょうか」
「家に帰ってからのお楽しみで」
「はい」
家に帰るのが怖い。
―――
「おー!壬生ちゃん!自己暗示けっこういけたぜ!」
「
「バッチリよ!」
「おぉ〜良かった。頑張ったじゃん」
「へへっ、まぁな。あ、壬生ちゃんそういえば朝っぱらから深山さんとイチャイチャしてたって話題になってたぜ〜残念そうに※経済の女子共が話してた」
※経済学部です。
「えっ、なんで残念そうに?」
「だって壬生ちゃんけっこうモテてるじゃん〜深山さんとは一見冷えた関係に見えてたんじゃね?まぁホントはラブラブだけどさ……アイツら別れた後の壬生ちゃんの恋人の後釜狙ってたじゃん?」
「なるほど、だから前に呑み会に誘われたのか」
「……その話詳しく聞かせてもらえるかしら?」
いつの間にかトイレから戻ってきた睦月が禍々しいオーラを発して八満に話しかける。
「み、深山さんっ!ウッス!」
「いやウッスじゃなくて説明して」
「ヒッ、は、はい」
「……何その話」
「あの……深山さん俺もう行っていいですか?」
「行きなさい」
「し、失礼しますっ!」
詳細を話して逃げるように去っていった八満。
「で、呑み会に誘われたって何?」
「大学入って少ししてからの話だよ。経済学部の女子達が呑みにいかないかって。付き合い初めて少ししてからもちょくちょくあったけどまだ20歳になってなかったから行かなかったよ」
「……大学入ってからは分かるけど付き合い初めてからもあったなら言いなさいよ」
「……ごめん。行かなかったし、その時は睦月はこんな事気にならないかって思ってて」
「……命令1つ追加で」
「はい」
もしも睦月が他の男に呑み会誘われてたらと思うと気が気ではない。
「睦月、ホントにごめん。逆の立場で考えたら死ぬ程嫌だね」
「うん。死ぬ程嫌だったわ……悠月が浮気なんて有り得ないと思うけどそれとこれとは話が別よ」
「はい。ごめんなさい」
「……」
睨む睦月に頬をぐにぃっと
「……夜覚悟してね?」
「はい」
どう考えても俺が悪いが俺は一体どうなってしまうのだろうか。
______
遅れてすみません。無事生き返ってなんとか書きました。次回はけっこうアレです。
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