なんという美しさか

月葬とはなにか。

葬というからには死者を弔うなにかであろう。

そんなことを思いながら読み始めてみたのだが、とんでもなかった。

この作品はとても美しい日本語で綴られている。

正直、自分の語彙力では読めない漢字も多数出てきた。
しかし、そんなことはもはやどうでも良いのだ。

この作品に触れ、読者は深く深く物語に沈んでゆく。
いや、浮き上がっていくのかもしれない。

一つの愛の形。
個人的にはある種わがままな愛の形に感じた。

しかし、愛の形など人それぞれが持つものなので、歪だとは言うまい。

その愛の形が月明かりに照らされた時、
この物語は息も出来ないほどの美しい情景を浮かび上がらせるのだ。

この作品は小説だからこそ良いのだと思う。
コミカライズよりも、実写よりも、より鮮明に受け手に訴える力がある。

濃密で美しい文章に溺れたい人はぜひ読んでみて下さい。

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