刀でやり合うシーンの緊張感が異常ですね。ひょうひょうとしたキャラクターが立っていてかつ、恐ろしく強敵。短編とは思えない緊張感と殺陣でした。
剣豪って憧れますよね。刀とはなぜあんなにも魅力的なのか。さて、この作品はそんな腕自慢の剣豪が幅を利かせている修羅の島の話です。剣の腕が地位に直結するこの島で銃殺死体が発見される。「え?どういうこと?」と読み進めるうちにどんどん世界に引き込まれていき、最後の狂気へと到達する。読みやすい長さの短編です。文章も上手でするする読めますのでぜひ読んで見て下さい。
強さこそがその島での存在価値であった。人外とも違わぬ強さを持つ剣士らが、続々額を銃で撃ち抜かれている島がありて。奇怪な事件の隅にフラリ現れたは、真黒き風貌の面妖な人物。人を人とも思わぬような輩らを、其奴は放っておけるわけもなく──。抜刀術、殺陣、鈍く光るまなざしが、動画のように滑らかに描かれていました。さすが野良さん。剣豪、いいですよねっ。
強い剣客のみを狙う殺人犯。銃で一撃。一体誰が。そこに現れる漆黒の剣客——巽(たつみ)。不穏な空気から幕を上げた剣客バトル。事態は嵐のように吹き荒び、気付いたときにはすべてが終わっていた。私は間違いなく、作者の不意打ちでバッサリと切られてしまったのだ。不覚にも。
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