泣ける難病ものが好きな人へ↓

「ブスやデブが病気になっても、あんたら見向きもせんでしょう。だから、わけのわからん難病にかかるのは、綺麗な女の子だけってだいたい相場は決まっとるんです」

この作品はこんな書き出しから始まります。

もうこの一文で掴まれました。

しかも偏屈なおっさんではなく、難病ものの一番の読者層であるはずの年頃の少女がこれを言って(正確には書いて)いるんです。

読書感想文の形式を取られたこの文章は、一定の読者の首をもげるくらい頷かせてくれることでしょう。

そこからは一気です。

少女がなぜそんな思いを抱くようになったかが明かされ、そしてそんな少女と友達になりたいと近づくもう一人の少女にも理由があって。

ある種世界をつきはなしたような語り口調のせいで、より一層少女の気持ちが突き刺さってきます。

一万五千字という短さの中に、少女のやるせなさが詰まってます。

お涙頂戴の難病ものが好きな人にも、嫌いな人にもオススメの短編です。

ぜひ。

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