つくられた運命に彼はなにを思うのか。

荒廃した世界、というのは簡単にみえて書くのは難しいと思う。
どうしても既存の作品の世界観に酔ってしまうし、
半端な処理をすると剣と魔法が近代兵器に置き変わっただけの、
なんちゃってファンタジーができるから。

本作はこの終わりつつある世界での人間の心理をついた記載や細かな動機、
また事件の背景の描写など細部にわたって配慮された構成をしている。

誰もが持ってる何らかのコンプレックス、
それがほどよくデフォルメされ、登場人物に深みを与えています。

重い世界観や、無造作な人の死の表現が苦手な人には、
厳しいかもしれないけど、世紀末大好きな人には、絶対お勧めです。

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