剥き出しの言葉によるSF

番外編を除いたレビューになります。核戦争の中で生物兵器として造られ、仕立て上げられた者を中心に回るストーリーで若干、センシティブな描写もあります。良く言えば飾りのない、悪く言えば配慮のない文章が会話文にも及び、殺伐とした雰囲気を醸し出しています。時折、言葉に殴られるような感覚があるのも表現としては有りかと。重い題材を扱っているので、この先どう捌くのか気になりますが、生や幸福に触れる部分も出てきています。私はこの作品に、「黒い絵の具を押し付けられ、引き摺るように何かを描かれる砂を被ったキャンバス」といったイメージを抱いていますが、皆さんは如何でしょうか。ご一読を。

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