夢みたいな世界観なのに、淡々と描かれていきます。幻想的というより不思議な世界です。この現実とはほんの少しだけ何かがずれたような…。静かな雰囲気が何となく心を穏やかにしてくれる作品でした。不安な気持ちが少し溶けるような気がしました。
今年になってから結構な数の作品を読んで回ったが、この様な話は初めてだ。いくつかの部分に区切ってみると、物語として成り立っているような気がする。あくまで気がする、だ。で、全体を通すと分からない。分からないのに面白い。面白くて非常に魅力がある。多くのレビューがないのも、もっともだ。内容に触れればネタバレになるし、この面白さを表現しようとしても言葉が見付からない。なら書かねばよいではないか、となるが、書かずにいられない。不条理だ。もっと多くの方にこの不思議さを味わってもらいたい。