そこにも、あそこにも。苺の蔓みたいに繋がっている。

とても元気な。元気すぎるミサイル娘の日向ちゃんは、イチゴ農家の娘。彼女の投げた通学バッグミサイルは、幼馴染の翔太くんにでなく通りすがりの聖弥くんにぶつかります。
痛々しい出会いの後、なぜか聖弥くんは日向ちゃんを気に入った様子。でも何かと言えば、親を嫌う言葉が出てくる。一人で農園を切り盛りするお母さんを助けたい日向ちゃんには、ちょっと相性が悪いのかも?

日向ちゃんの家を助けてくれる人たち。聖弥くんを巡り、トラブルを運んでくる人たち。ずっと農園を続けていきたい日向ちゃんの悩みは尽きません。
日向ちゃんを贔屓に見ていると、「ええ……?」と眉をひそめたくなることも。
でも、必ずしもそうではないようです。
話せば分かる。なんてことも難しい、入り組んだ事情。みんなが分かり合い、めでたしめでたしなんて日が来るんでしょうか。
日向ちゃんの夢。聖弥くんの夢。まったく違う方を向いて、両方とも叶えるなんて無理です。でもいつしか、それが可能になっていく。
二人の視線が向き合うまで、甘酸っぱい空気を堪能できるお話でした。

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