マミの家で (5)

ほとんどの買い物は通販で済ませていたけど、かさばる荷物は送料が高いからスーパーに出かけることがあった。


そうやってスーパーに行く途中、よく道端に倒れて動かなくなっている人がいる。ほとんどの人は血を吐いていて、ひどい時は皮膚が剥がれ落ちていることもあった。始めの頃は意識がないのを確認して救急車を呼んでいたけれど、道行く者が誰一人として目もくれないのを見ると、徐々に触れてはならないことのように思えてきてしまう。


だから、最近は私も足早に通り過ぎるのだ。次通った時にはもういませんように、と祈りながら。


その話をすると、マミは「変な病気が流行ってるらしいから、近づいちゃだめだよ。ミカも気をつけてね」と言う。そして、彼女が着けているのと同じビー玉のペンダントを私の首に掛けるのだ。


このおまじないには、どういう意味があるのかしら。

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