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アマノジャクとは私の事なのだろうか?
看護師からも聞き取りをした部長二人は、結論から言うと、という事で話し始めた。
「今までの紫ぐれさんの事情を様々聞いて、今回の事。会社としては被害届を出す事をやめてくれとは言えない。紫ぐれさんのしたいようにしてください。」から始まった。
その時点で看護師に辞めてもらうとはまだ聞いていませんでしたが、思わぬ結果に、ほとんど無意識レベルで、口を開いてしまった。
「私。。被害届は出さない事にしました。」と。。
その後の話し合いをする中で、私は同時進行で違う事に思いを巡らせていました。
若い人たちが勤める会社。。ではない。新しい考え方をした人たちの会社なのだろう。
昔だったら、面倒くさい事を言い出す職員など排除。
特に私の問題を抱えた仲間たちが語っていた二次被害。。絶対に身の上を話してはならない。世間が認めてくれる筈もないという事。。
性被害まみれの人生。。
泣き寝入りをしない。=被害届を出す。と言う私の思考は古いのかもしれない。
きっと、社会は変わってきている。
新しい人たちの考え方はもはや昔とは違うのだ。。
私はそもそも泣き寝入りなどしていなかったのだ。
自分の口で、未踏の人たちにほぼすべてを話し、すでに黙ったままでは無かったのだ。
このビルにはこの会社だけではなく、他の会社も入っている。
そこへ警察官がやってくることを認めたという事は相当の覚悟だったに違いない。
そこまでして昔だったら排除されておしまい。。な経験をした私の心を理解しようと努力してくれた会社に重荷を背負わせる事は出来ないと思った。。
自助ミーティングを卒業して、世の中(社会)に紛れる事を選んだ。。
それは間違いでは無かった。
やっと報われたではないか?
すでに泣き寝入りなどしていなかったのだ。。と意味づけを変える事が出来た。。。
後は、看護師は退職届を出してきていて、それを受理する予定だと聞きました。そのうえで、看護師が私に会って謝りたいという事を聞いた。ただし、私が触られながら言われた言葉に違いがあって、彼女は自分の起こしたことを過少なイメージに持って行こうとしている意図を感じた。
言った言わない。違う言葉。。これを言い出したら水掛け論。それを私は証明する気はないが、その様な意図を感じていて謝罪は受けられないというと。。
人事の部長さんが、「確かに謝る事で彼女は楽になりたいのかも。。」と言った。
私は、
「半世紀以上生きてみると、私は傷ついた経験だけでなく、その余波も含めて人の心を大きく傷つけてしまった事が多々ある。今になって謝りたいと願っても、会う事も叶わない人。その時の罪からどのように許されるかという事は苦しむものです。気づいたのは苦しんでもがいて、自分が許されるに値するかしないかを決めるのは自分の心です。それが謝罪のときなのかもしれない。私は先ほども言ったとおり、被害届は出さないと決めました。もはや、彼女を許すか許さないかは私の手から離れたと考えています。勝手にどうぞ。ということです。私は、やはりあいたくはありません。」と答えた。
その後、この職場でもう一度頑張ってみるつもりであることや、彼女が出て来ているうちは月曜は休む事。。それと利用者様への思いを具体的な事はなるべく避けながらも昨年からの私に対する誤解があるのではないかという事も含めてお話をすると。。又、3時間ぐらいたってしまいました。長話になってすみませんと言うと、部長は「たまにはいいではないですか!」とおっしゃった。
もし、会社が警察沙汰だけは何とか考え直してほしいなる事をいってきたとしたら、私は被害届を出していました。そしてこの事業所を去った筈です。
本当に紙一重の話し合いだった訳です。
後日。彼女からの退職届を出した日付で受理、その日で最後。ということの報告を受け、その後、私が月曜を休むことはなくなりました。
ただし、私の体調は悪化の一途。。
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