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実際に上司がAさんに話したかどうかは分からない。あの時話したのはまったくの他の話であるという事も考えられない訳ではない。
ただ、流れというものがあって、少々の異論や、本当は違うなと思うようなことでも人はその流れには逆らえない。それは戦争に走ってしまった歴史を知る日本人なら分かると思う。流れに逆らう事は中々難しい。
昨年秋から今年初頭くらいまでは、私にとって非常に働きにくい職場だった。
まず、利用者さまからの「歌って!」と言われる事に対して、「業務があって歌えないんです。」という断り方に変えると。。
「何で?今まであれだけきかせてくれたのに。。」とか、
「あんたが歌わないとカラオケがつまらない。。」とか。。
中には、「誰かに意地悪されたんだろう。。」とか、
「何かわけがあるんだろう。。」など言う利用者様もいました。。
チョット思い出したことがあってクスッ!と笑えた。。
あれだけイケイケどんどんだった上司があの時言っていた。。
「紫ぐれさんの歌を聴きに来ている利用者は一人もいません。。それはあなたの勘違いです。」とまで言っていた。
そうね。。確かに誰もいないんでしょう。。あなた方の考え方の中では!
なんて思ってあの頃は心の中で笑っていた。。
さて、声の調子を理由に断っているうちに忘れてくれ。。と思っていた時以上に、勘繰り、憶測そんな言葉は増えて行きました。。
そりやそうです。。事業所挙げて私の歌を推奨しているようなことを始めの頃には利用者様にも社員が言っていたのですから。。
認知機能がしっかりした方などからは「正直に言え~~」とも言われた。
逆に認知機能が低下した方は、今朝何を食べたか?昨日何をしたか忘れてしまわれるのだから私の歌などすぐに忘れてくれると思っていましたが、
そんな方はかなりの期間は忘れてくれませんでした。
忘れてくれるきっかけになったのは、今年初めころから、私は苦情が出ない程度に小躍りしたり、歌の合間のセリフを言ったりといった事をしだして、それをやって!というようにシフトしてからです。
非常に断る断り方に苦慮しました。
そんな中、他の職員でカラオケ好きな人はマイク使って歌ってるわけです。
そうなると利用者様は益々勘繰る。。
で、社員職員に私は別に何とも思わないが、利用者様が勘繰るので私は断りづらくなる。。と申し出ると。。
後に噂として聞いたのは、「紫ぐれは面倒くさい事ばかり言う。。」だった。。
面倒くさい断り方をさせているのはどっちだ!と腹が立ちました。
こういう時、一番良い断り方は。。
ブラックジョークにしてしまう事。。
勘繰るなら勘繰る通りの理由。。
実は本当の事だけれど、本当の事と思わせないジョークとして。
「私~~~歌。。上手すぎちゃうから、ヤキモチ焼かれちゃうのよ。」
とか、「私、いくらうまく歌ってもギャラ貰えないから。。」
等をヘラヘラ顔して言ってのけちゃうことが一番問題が無くなるという事。。
だから途中から私はどうせ私を煙ったくおもってるなら。。と勝手に断り方をジョークに切り替えて。。沈静化していきました。
それでも未だに「たまにはプロの歌を聴きたいな。」という利用者さまもいます。
「俺から所長に言ってやる。。」等言われる時は、
「やめてくださいよ。。。私。。困りますから。」と本気で断っている。。
まぁ、この辺は序の口だけれど、一番腹の立つ事は別にあった。。
ただ、困ると言う程のものではなかったけれど。。。
私は本当に流すつもりだったのに。。残念でならない事も起きた。。
おそらくご本人は無意識なのだろう。。
でも、私は無意識、意識レベル。。この辺りの心理は父の吐く言葉で訓練してきているから、益々残念でならなかった。。
そのうち分かってもらえるだろうとはおもっていたけれど。。
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