それは泥中より咲く蓮の如く

若き新米教師であるヒサリ先生と、植民地であるアジェンナ国に暮らす十二人の生徒たちのふれ合いを描いた作品。個性豊かな生徒たちは勿論、アジェンナ国に根付く差別や偏見、それらの枷に縛られながらも彼らなりに生きようともがく人々の生き様にも魅せられます。現代社会においても課題と言える題材を取り扱ってはいますが、重たく濁り続けているのではなく、そういった影の部分がありながらもたくましく生活を営む民の瑞々しさがこの作品を彩っています。現代に生きる私たちだからこそ、より多くの人に読んでいただきたい作品です。

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