異世界版、二十四の瞳。詩的な世界の、読みごたえある本格ドラマです。

舞台は帝国の植民地。登場人物は、差別や貧困にくるしむ子供たちと、帝国から派遣された女教師。
理想と正義感に燃える女教師は、みにくく不潔な風貌だけれど清らかな魂と歌の才能をもつ少年に惚れ込んで熱心に教育しようとするのですが――

一面的な正義で主役を美化するのでなく、単純な善悪で割りきるのでもないストーリーが、物語を読みごたえあるものにしています。
人間と妖人と妖怪が身近に同居する夢幻的な世界。宗主国が交代し、植民地の住民たちの間でも対立や差別があったりと、東南アジア/南アジアを髣髴とさせる社会構造の描写が世界観を重厚にしています。
そして少年の明るく清らかな魂、そこから湧き出る歌の詩情が、物語をうつくしく彩ります。
子供たちだけでなく女教師の成長も楽しみな、夢幻の世界をぜひおたのしみください。

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