時代もの。なのに清流の如くサラサラと読める。

金平糖を知っていますか? 

立体的なお星さまみたいなお菓子。昔ながらの質素なお菓子。「戦前、戦後」なんて言葉がイメージされるほどになじみが薄くなっている和菓子の一種ですよね。

ところが、本作『金平糖を一粒ずつ』に触れた瞬間から、この星が「愛の結晶」に見えてきました。きらきらと輝いて脳裏に浮かぶのです。
手に取って口に運びたい。そんな思いに包まれました。


本作は戦時中、戦後の日本が舞台。混沌の世のワンシーンを切り取って描かれた本格的時代もの小説です。

堅苦しくなりがちですよね、時代ものって。ところが本作はつっかかることなく気持ち良く読み進めることができます。
さすがの筆力に脱帽!!
素敵な作品との出会いに感謝です。

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