時代の風を感じて

現代に生きる私たちにとって、半世紀以上前の時代が舞台となる小説を書くことは難しいと思います。それは表面的な言葉遣いの違いから始まり、価値観の違いという深層的な部分にまで気を配る必要があるからです。この作品はそれらをしっかりとこなし、読み手側はその世界に入っているような気分で物語を読み進めることができるようになっています。また、それらの舞台設定だけでなく、金平糖にまつわる想いを物語の主軸に添えることで、全体を通して一貫した展開が作られているように思いました。分かりやすさ、丁寧さを重視した書き方がとてもいいと思います。

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