PHASE 8 :『世界弾丸博覧会』にようこそ
「はいはい二人ともようこそ第2小隊へー♪
私が隊長のオンリーでーす!PDW第1号、FNハースタルのP90だよ!」
「私が一応副隊長のニューナンブM60。TACネームはまんまナンブ。よろしく」
「どうも。
隊長やこちらまで案内していただいたそこのナイファーさんだけ見るなら、
ちなみにナイファー、写真の取りすぎで携帯の充電がなくなり、今そこでミニーの背負っているユニットのバッテリーを使って充電中である。
「いやね、私達さ…………
簡単に言うと、最初に出てくるザコ部隊なんすよようするに」
しゅん、と顔を沈ませて言うオンリー。
「ずいぶん卑屈な。新人の士気を下げるおつもりで?」
「うん辛辣だけど正論ー。
でも私達さ、精鋭というにははぐれ者で、かと言って実力がない訳じゃない、不真面目な訳ではないけど扱いにくい死神とかの集まりなのは事実でねぇ……
新人を鍛えてその後他の班に、っていう面もあったりもするけど、その……
主な任務は、不確定情報での作戦が多いんだ」
「えぇ!?!それって……!!」
と、その言葉にチャイナレイクが反応する。
「それって?」
「……それって、事実上の、『
「あー……たしかにそんな損なやk」
「めっっっっっっちゃかっっこいい役割の部隊じゃないっすかー!!!!!」
と、予想の斜め上を行く反応を見せる。
「えぇ……でも、昨日あった悪魔みたいに、可燃性のある体液のせいでウィプリィの車みたく」
「イェー!!ほらみんなもっと磨けよ!!
お前らも磨け!!テレビの前の奴も磨けー!!!」
「テレビの前ってなんですのよ!!!」
「焼け焦げちゃうようなのが日常茶飯事だし」
「つまりいつでもアクション映画じみたことが!?!
シ◯ワちゃんとスタ◯ーンにステ◯サムが集まったような火薬量の作戦ばかりなんですね!!」
「いや君が一番に点火してどうする!」
「あう!?」
ペシリ、とチョップを叩き込んで落ち着かせるオンリー。
「あはは……でもすごいカッコいい部隊じゃないっすか?」
「それは認めまーす♪
やっぱり隊長の私がカッコいいから、」
「アホ!」
「あべしっ!?」
そして続けて格好つけるオンリーも、ナンブが空中チョップを決める。
「まったくこのPDWは……
ただ最初のザコ部隊ってのは本当だよ。
私達で解決できればいいけど、解決できなきゃ精鋭や専門を呼ぶべく、蹴散らされても生き残れるのが条件だからね。
結局威力偵察用部隊だよ」
「.38スペシャル弾じゃあ、威力偵察の威力が足りないのでは?」
「たしかに。まぁ私自身『撃つ為の銃じゃない』しね」
「……こういう戦闘部隊にいるハンドガンの割に、意外な事言いますね?」
どうも、もっと突っかかる言い方を期待していたらしいPSG-1に対して、自嘲気味に笑って返すナンブ。
「ま、色々あって流れ着いた身だしね。
君のような、対テロ用のものでもない自覚ぐらいはあるよ」
「あ、でも新人ちゃん?
ナンブちゃんは誰もが認める副隊長なんだから、あんまり舐めてかかるの禁止!!
上官なんだから従ってね?」
「その程度はわきまえているつもりです、隊長殿」
表情一つ崩さず言うのが、かえって生意気だったが、ナンブを見てもまぁ良いという顔なのでそれ以上はオンリーも言わなかった。
「…………副隊長殿、見た目よりおっさん臭いですね」
「こらこら」
「お嬢ちゃんは私がいつから日本のお巡りさんの銃をやっているか分かる?」
「それで良いのかナンブちゃんは!」
「そして隊長もうるさい人で」
「この通りうるさいし良い加減だがまぁ隊長なんだよね。よろしくね」
「二人とも聞き捨てならないぞぉ!?!」
ショックぅ、と言いつつ、ふとシャンとした顔になるオンリー。
「まぁそれはいいよ。
それよりも、早速我ら
「「はっ!!」」
流石というか、心得はちゃんとあるようですぐに二人は姿勢を正す。
「まずは、経理のレギンレイヴさんの所で弾薬や周辺装置の受領をします。
我が隊は弾薬の管理は個人でしているからね。
なにせ『世界弾丸博覧会』の名前は伊達じゃ無い。
三八式実包から5.7×28mm、東側規格から西側規格まで、全員違うからね。
「「
「同時に、この施設も案内するよ?
そして昼からは新人歓迎会。
いまウチの狙撃手に、お肉、野菜、焼肉のタレを買いに行って貰っているから……
所でビールかウォッカかチューハイしか無いけど、アルコールの好みと苦手ってある?」
「来て早々お酒ですか。作戦とかは大丈夫なんですか?」
「任務完了後、最低24時間は作戦行動しない決まりなのだよ、新人ちゃん達?
そして私たちにはまだその24時間が残っている」
「け、結構ハードっすね……24時間空きしか無いって」
「回転率が高いのはここの特徴だよ?
じゃ、早速行こうか!」
と、水着のままオンリーは二人を招いて歩き始める。
「あ!隊長さーん!!
私も『ブリティッシュサイド』の博士達に、バックパックの事でお呼ばれされているから一緒に行く!!」
「そういえば私もね!ごめんなさい、付いていくわ!」
「マジで?分かった、シュナイダーちゃんもミニーちゃんもおいでー」
と、何か不穏な単語を言い放つ二人も合流するのだった。
「……隊長、ブリティッシュサイド……って?」
「行けば分かるよ、PSG-1ちゃん」
***
「イェーイ!!洗い終わりぃ〜!!
foo⤴︎きっもちぃ〜!!」
ピッカピカになったビッグフットを前にウィプリィがダイナモな感覚で喜んでいる中、ナンブはふと近くに置いてあるパフェの無線機からの声を聞く。
『こちらM-フォース!隊長のアサルテよ!!
聞こえる!?!』
「こちら第2小隊、副隊長ナンブ。どうぞ?」
『ああ良かった!!ナンブ大変よ!!
姉さんがまんまと逃げ出したのよ!!
それも、あなたのところのリュドミラと一緒に!』
「あっ!!
司令官め……新人歓迎会の買い出しのタイミングをはかってたな!!」
『買い出し!?!
ああ……じゃあ2時間は帰らないのね……!!』
「やられた!これじゃあ、こっちからは手出しできないや……」
『あぁ……完敗ね』
はぁ、とため息を漏らす二人だった。
***
爆音カーステレオとすごい回転数のエンジン音、
法定速度無視のカッコいいスポーツカーが、公道を爆走する。
「イェーイ!!これは第2小隊の領収書受領の為だからお仕事だー!!
サボりじゃないからなー!!」
「良いわねぇ、司令官!!
どう?ついでに経費で落とすなら、好きな肉かお酒買ったらぁ?」
「そのつもりぃー!!
経費で買った肉でやる部下の小隊の歓迎会は楽しそうだぜー!!!Foo⤴︎」
「今夜は飲むわよ!!
ビール!!ウォッカ!!そしてスト◯ングゼロ各種!!」
イェーイ!!
まるで流星のような速度で、車はスーパーへ向かうのだった…………
***
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます