地味子との出会いが、チャラ男を変えた。

がり勉の地味子と、学園の王子様と呼ばれる男子。

恋の始まりは、そんなチャラ男が地味子をからかってやろうと思って、嘘の告白をしたことだった。しかし、やがてチャラ男は地味子に惹かれてゆき――。

本作に登場するキャラクターはみな魅力的です。特に、ヒロインの地味子の可愛さは飛び抜けています。そんな彼女が彼を想う心は、悶え死にそうになるくらいに純情です。一方、不真面目な印象を受けるチャラ男の方には、最初は苛つくかもしれません。けれど、ヒロインの一途な心に、ついついこの恋が成就するように応援したくなります。

ayane さんの書く作品は、どれも人物描写が非常に巧みです。特に本作においては、二人のすれ違いや行き違い、そこに現れる人物の成長など、ハラハラドキドキし、読み進めるにつれ、二人を見守ってゆく気持ちが高まってゆきます。

最初は、ややうっとうしかったチャラ男のほうも、様々な試練を乗り越えるにつれ、立派な好男子へと成長してゆきます。

これは、一人の女の子の恋物語であると同時に、一人の男の成長物語であると言えるのかもしれません。

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