強さとは力の強さだけではない

本作に出てくるレティリエは人狼でありながら狼の姿になれないため狩りもできず村においてお荷物の存在となっていることを恥じながらも狼の村で懸命に生きる女性です。そんな彼女が恋するのは村においていわゆるエリート層に属する男性グレイル。叶わないとされた二人の仲がある事件を境に急速に変化していきます。人間社会に連れてこられ屈辱的な扱いに耐えるレティを案じるグレイル。ですが彼女もそこで自分の武器を見つけて強かかに生き抜いていきます。そしてそれが種族の誇りをかけた戦いに大いに貢献したとき彼女の強さというものをはっきりと周りの狼てちに認めさせた瞬間は今までの彼女の境遇を思うと駆け寄ってよくやった、君は立派な狼だと抱きしめたくなりました。グレイルに唸られそうですが。狼の友人らもなんだかんだで温かく見守ってくれていたようで良かった。そして醜悪なる人間がどこまでも醜悪で良かったです。人間にもいいやつがいるんだよ的なキャラがいないことはこの物語においては一貫してて良かったと思います。続きも楽しみにしております。

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