雪を溶く熱 — 火星の冬とテラフォーミングの子供たち—

　火星テラフォーミングや兵器など。様々な部分で、作者の知識量が見えます。
　兵器などだけではなく、歴史などにも詳しく、読んでいてとてもワクワクさせられました。

同じプロットから小説を書く自主企画の参加作です。

遠い未来の火星を舞台に、火星で生きるべく火星で生まれた美冬たちを書いたシリアスSFなんですが………。

とにかく指定プロットを消化して終わりかと思いきや、そこからが本番でした。圧倒的ボリュームで送る独自の作品世界。いやー、これぞ漢の雪熱ですねー。この弾けた感じ、とてもツボです。

全体的に短いお話の多い雪熱に物足らなさを感じている方におすすめするがっつり濃厚二郎系SF雪熱、是非一度味わってみてください！

以前、筒井康隆が「朝のガスパール」で同様のことをしていましたが、インターネットの無い時代だったので大変だっただろうな、と思いました。
それにしてもプロットのない状態で執筆は私には無理です。