❄「この町において雪は呪いだ。祝福などではない。」🕯
そんな印象的な一文から始まるのは、
かつてテラフォーミングに成功した火星———
今や【極寒の雪原と化した大地】を舞台に描かれるSF小説。
壮大な白銀の景色……
吐く息まで感じられるようなリアルな背景・人物描写から、
人間ドラマが始まっていく。
文章はSF初心者にも優しく、序盤は人間模様を中心に展開するので、
没入しやすい。
徐々にこの舞台の闇や、ハードSF的な世界観が姿を現してくる。
第5話「テラフォーミング」では、磁気の盾やアクエリアス・プランなど、
かつて人類が挑んだ壮大な惑星地球化計画の全貌が明かされる。
続く第6話「連邦保安官」で物語は一変。
火星人と地球人の間に横たわる深刻な差別構造が描かれ、
物語は一気に緊張感を帯びる。
この落差が、先の展開から目を離せなくさせる。
過去の企画「筆致は物語を超えるか【雪を溶く熱】」の一作であり、
第21話で一度区切りを迎えるが、実際は100話前後まで続く長編である。
魅力的な人間ドラマを主軸としているため、SFファンはもちろん、
普段SFを読まない人にもおすすめできる、胸が熱くなる一作です!
(ちなみに私はSF勢ではないです)
※SFの企画の作品とばかり思って読んでたら、
指定プロットが現代ドラマみたいな感じで、後から驚きました🐱。笑