青春に憧れを抱き友達が欲しいと願う過眠症女子と、センター試験に出ないことは全て不要だと考える行き過ぎた勤勉意識が道徳観念を小学生以下にしてしまった不眠症男子

　かれこれ七年近い日数を寝ずに過ごす不眠症男子『夢寺』は、異様に勤勉意識の高い男子高校生である。彼は高二の春にして大学受験を視野に入れ、貴重な青春時代にも関わらず昼夜勉学に励む日々を送っていた。

　そんな彼はある日、保健室登校を繰り返す銀髪の過眠症女子『姫島』と出会う。
　彼女は一日の十六時間以上を寝て過ごし、容貌は異様で友達は皆無。まともな学校生活を送ることができないでいた。
　しかしそんな彼女にも夢がある。それは『友達と一緒に普通の学校生活を送ること』。
　姫島の境遇を不憫に思った夢寺は、彼女の願いを叶えるために奔走する。

　はたして彼は、養護教諭にバレることなく保健室に花火を持ち込み、カラオケを持ち込み、ついには子供用プールを持ち込むことができるのか。彼の学年一位を誇る頭脳が今、試される。