作者様の作品を続けて二作拝読しましたが、この方は『閉じた世界』の描写とキャラクターの演出がとても巧みだなと感じます。
作品の年代はおそらくは文明開化以降の時代と思われますが、日本での女の価値や生き方がまだ『閉じている』時代。
この物語は西洋と東洋の文化や価値観が入り交じり移り変わる激動の時代に生きる主人公、小夏ちゃんの和菓子屋さんへの嫁入りを通した彼女の成長の軌跡となっています。
……と、真面目な語りはこの辺りにして。
十代後半の健全な青年がですよ?
祝言を挙げるまでは大好きな奥さんに手を出さないなんてそんな嘘みたいな話が……あるんですよ、ここに。
理性がちゃんと仕事してたね、伊織!(たまに理性ストライキだけどね)
和菓子屋の若夫婦に魅了された方は作者様の他作品〈旦那様の口づけには、秘密がある〉を全力でオススメします!!きっと嬉しいサプライズが待っていますよ。
私もさきほど旦那様の口づけには〜を読み返して頬がゆるゆる緩みっぱなしです♥️
引き取られた五十鈴屋で下働きをする小夏。
千寿堂の伊織の元へ嫁ぐことになったが、結納金は八重に使われてしまい……。
丁寧に練り上げられた和菓子のようなこの物語。
もったいなくて一気読みできず、毎日1話ずつ大事に拝読いたしました。
主人公・小夏の処遇や八重や家族からの嫌がらせにムカッとくるのですが、五十鈴屋の姐さんたちの温かさ、ときどき現れるあやかしのカワウソと仔狸が可愛くて……。
小夏が苦労しつつもきっと幸せを掴み取ることができると信じられるので、ハラハラする部分もあるのですが、安心して読み進められました。
そして!
相手役の伊織さん。もうこの人ほど素敵で理想的な男性はいないでしょう。
仕事は丁寧だし機転も効く、何より形に拘らず小夏を対等に扱ってくれる、いえ、対等どころか何よりも大切に想ってくれる。
問題が発生すれば、自分のことのように解決しようと奔走し、誰よりも小夏の理解者でいてくれる。
あぁ、なんて羨ましい……。
最後は思わず拍手してしまう、そんな心に優しい物語です。
執筆お疲れ様でした。
番外編も引き続き楽しませていただきます。^-^
不遇な生い立ちに、恐れ怯えて生きてきたヒロイン、小夏の元に、縁談が届く。見染めたのは和菓子屋を営む若き主人、伊織。礼儀正しく、沈着冷製、そして優しい。
小夏を庇う時はその背に庇い、護る時は必ずその手で護る。その行いが、いつも優しく暖かい。
そんなふたりが営む和菓子屋さんだからこそ、優しい人たちが、そしてあやかしたちが集ってくるのだ。
そして、ふたりに降りかかる困難も、その優しさが手助けしてくれる。これが、実に痛快。
もう、全編に優しさが溢れていて、とても素敵な和風ファンタジーだと思う。
わたしは、途中でやめられなかった……。読みはじめたら、たぶん、皆さまもです。
生まれる社会は選べなくて、そこが閉ざされていたなら外の社会は知れなくて…
でも、厄介払いとばかりに嫁に出されたら、新しい社会が形成されるわけで?
その新しい社会のお相手が、爽やかな美形で(奥さんにだけ)優しかったら?
おまけにもふもふしたしゃべるあやかしも遊びにくるときます。
でもせっかく新しい社会が開けても、旧社会の禍害が当然の顔して搾取を続けます。
二人(と、もふもふ)はこの社会構造を改革できるのでしょうか?
…社会の最小単位は個人?その話はややこしくなるので無視です(笑顔)
最後になりましたが、伊織さん、祝言を挙げるまで頑張って!
和風ファンタジーというのでしょうか? 江戸時代というには、和装の紳士がいたり、帝都があったりするので、ちょっと違うみたいです。でもまあ、雰囲気は時代劇っぽいですが、時代考証とかそういう堅苦しいものはない方向で楽しめます。
和菓子屋のイケメンのとこにお嫁に行ったヒロイン、小夏。
妾の子として大店でひどい扱いを受けて育ったのですが、どうやら素敵な男性に見染められたみたいなんです。
が、祝言はまだ先。でも、一緒に住んでます。
この二人で、和菓子屋を切り盛りするお話。ただしこの和菓子屋、人間の常連さんばかりでなく、あやかしたちもよく来るみたいです。
素敵な旦那さんと、愉快なあやかしたち。ご近所さんだったり、お得意さんだったり、意地悪する人もいるにはいるけど、総じて楽しい日常が流れていきます。
移り変わる季節と、その時々のお菓子。お節句、お祭り、そしてとうとう祝言。
世界がひっくり返るような事件は起きないけれど、甘くておいしい和菓子はそれだけでひとつの事件です。
まだまだ色の塗られていない余白のたくさんある物語。なにかの折りに、きっとこのつづきが描かれると思います。
時代劇恋愛ファンタジーの本作。和菓子屋に嫁いだヒロイン。可愛い妖とイケメンで優しい旦那さまに愛されまくる新婚生活……の、はずなんですが。
妾の子だと虐げられて不遇の時代を過ごしてきた主人公小夏ちゃんは、結婚により、やっと悪の巣窟から抜け出せたかと思いきや、しつこく絡んでくる悪役たちのせいで、なっかなか落ち着けません。
しかも境遇のせいで、自分に自信がなく、超絶美人の母によく似ているそうなのに、自分はちんちくりんだと思い込んでいます。そんな悲観的かつ天然ぷりも発揮するので、夫・伊織もいろんな意味で大変です。いろんな意味で。
二人の近々の目標は無事に祝言をあげること!!
なのに、もうっ、邪魔がああああ。
モッフモフの妖たちと頼りになる夫、ご近所さんや常連さん、謎の紳士に、胸糞悪い五十鈴屋の連中などなど、小夏ちゃんは果たして大丈夫なのか。楽しい長編ファンタジーです。
料理屋五十鈴屋で奴隷同然の扱いを受けている小夏は菓子屋千寿堂の主人である伊織に見初められ……。
主人公を取り巻く環境はかなり過酷で悲惨な境遇。
しかし物語のカラーは明るく微笑ましいのです。
夫である伊織は肝が座っていて小夏をひたすら愛しています。
伊織の兄弟子である鳩羽は生臭坊主。
そして物語に欠かせないあやかし達。
カワウソ、子狸、大天狗、狐女。
彼らには癒やされます。
そして魅力的な敵役No.1の八重。
個人的にはイチ押しのキャラクターです。
正しいものは強く、意地悪なものは滅ぶ。
そんな正道のおとぎ話をお楽しみください。
とはいえ、あやかしは見える人にか見えませんし、若女将の小夏ちゃんも最初はもうトリガラでねぇ……。
小夏ちゃん、苦労してきたんですよ。妾の子だからって五十鈴屋さんでこき使われてねぇ。もうね、こんなところとっとと辞めておしまい!ってこっちは思うんですけど、ほら、行く宛もないわけですよ。
ところがそんな小夏ちゃんに縁談が舞い込むわけですね。お菓子屋さんの千寿堂さん。主の伊織さんがまた良い男で。主って言ってもあれですよ。うんと年上のロリ親父とかじゃないんですよ。まだピチピチ(死語)の十代!
こんな若夫婦がですね、もう一生懸命お店を切り盛りして――って、伊織さんはもう何年も一人でそれをやって来てるんで、その辺頑張りまくってるのは小夏ちゃんなんですけど。いや、伊織さんは別のところで頑張ってるって言いますかね。
だってこの二人、祝言まだあげてないんですもん。いまと昔は違いますからね。十代のヤングが、一つ屋根の下でっていうか同じ部屋で新妻が寝てるってのに我慢しなくちゃいけないわけですよ。
さて、そんなほのぼの(一部忍耐)ストーリーだけでは終わりません!
せっかく悪の城(五十鈴屋)から逃げ出したお姫様(小夏ちゃん)の元に意地悪ジジババがやって来るわけですね。異母妹もやって来ます。そいつらまとめて切って捨てろ!なんて私なんかは思うわけですけど、もちろんそんなことが出来るわけもなく。
さぁさぁ、そんなベタな悪役がちょいちょい現れて殺伐とした展開になりつつも、カワウソ子狸ペアに癒され、初々しい新婚夫婦のやり取りにニヤニヤ出来ちゃう本作、ぜひとも甘いお菓子とお茶を入れてお楽しみください。
母親を亡くした小夏。料理屋、五十鈴屋に引き取られたのはいいものの、そこで待っていたのは心無い人達と不遇な毎日でした。
しかしそんな小夏も、菓子屋、千寿堂の主人、伊織に見初められ、ついに幸せが。
……だったらよかったんですけどね。
結納金、五十鈴屋にとられます。嫁いだ先に、腹違いの妹が意地悪をしにやってきます。
お前らいい加減にしろ。どれだけ小夏を苦しめれば気がすむんだ! この話を読んでいったい何度そう思ったことか。これなら、千寿堂にやってくる妖怪達の方がよっぽど優しいです。
えっ、妖怪? そう、千寿堂には妖怪がやってくるのです。と言ってもどうかご心配なく。さっきも書いたように、ここの妖怪達はとても優しく、小夏の味方。むしろ、この作品の癒しとなっています。
可愛い妖怪達と一緒に、小夏が、それに伊織が、二人で幸せを掴むのを見守っていきませんか?
母を亡くして、五十鈴屋と言う料理屋に引き取られていた小夏。
しかしそこで、育ての親や腹違いの妹に、毎日のようにいじめられて、酷い扱いを受けていたのですが、そんな小夏に縁談の話が。
縁談の相手は、菓子屋の主人、伊織。これが実に良い男で、今まで不遇な扱いを受けていた小夏のことをとても、とても大事にしてくれるのですよ。
働き者で健気で、無防備な所のある小夏にドキドキさせられるも、ちゃんと祝言をあげるまで手を出してはいけないと葛藤する姿は、読んでいて悶えました。
小夏、素敵な彼に見初められて、良かったね。
祝言の費用を稼ぐために、二人して働く和菓子屋にやって来る、個性豊かなお客達。
訪れるのは、人間だけではありません。天狗や狐、それにとっても可愛い、カワウソや子狸まで、たくさんの妖怪も足を運んできます。
立派な祝言を挙げるため、今日も働く小夏と伊織。
個人的な推しポイントは、小夏のことが好きだけど、大切故に我慢に我慢を重ねる伊織と、キュートなカワウソと子狸です!
妾の子として虐げられ、料理屋・五十鈴で日々こきつかわれる小夏。
物語は、そんな小夏に縁談が舞い込むところから始まります。
小夏に縁談を申し込んだのは、和菓子屋・千寿堂を一人で切り盛りする青年・伊織。
この伊織が! 目元涼しげで誠実で優しい、きりっとした男前なのです!(≧▽≦)
小夏はどうしてこんな素敵な人が私なんかを妻に? と不思議に思いますが、それには事情があって……。
和菓子屋の日々を丁寧に描きながら、ゆっくりと心を通わせる二人。
その様子は、タイトル通り、甘いお菓子のようにあっまあまです( *´艸`)
とはいえ、結婚するものの、結納金を五十鈴屋にふんだくられたせいで、この二人、なかなか祝言をあげられません。
伊織の理性は、祝言までもつのか!?
結婚してもなお、呪いのようにつきまとう五十鈴屋の人々に、小夏はどうするのか?
可愛いあやかし達がほっこりとさせてくれつつも、波乱とあまあまに満ちた若い二人の素敵な物語。
どうぞ、ご賞味くださいませ(*´▽`*)