誠実な人間こそが幸せを掴む、和菓子屋華燭物語

引き取られた五十鈴屋で下働きをする小夏。
千寿堂の伊織の元へ嫁ぐことになったが、結納金は八重に使われてしまい……。

丁寧に練り上げられた和菓子のようなこの物語。
もったいなくて一気読みできず、毎日1話ずつ大事に拝読いたしました。

主人公・小夏の処遇や八重や家族からの嫌がらせにムカッとくるのですが、五十鈴屋の姐さんたちの温かさ、ときどき現れるあやかしのカワウソと仔狸が可愛くて……。
小夏が苦労しつつもきっと幸せを掴み取ることができると信じられるので、ハラハラする部分もあるのですが、安心して読み進められました。

そして!
相手役の伊織さん。もうこの人ほど素敵で理想的な男性はいないでしょう。
仕事は丁寧だし機転も効く、何より形に拘らず小夏を対等に扱ってくれる、いえ、対等どころか何よりも大切に想ってくれる。
問題が発生すれば、自分のことのように解決しようと奔走し、誰よりも小夏の理解者でいてくれる。
あぁ、なんて羨ましい……。

最後は思わず拍手してしまう、そんな心に優しい物語です。

執筆お疲れ様でした。
番外編も引き続き楽しませていただきます。^-^

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