第9話宇宙の支配者

[地球から何億光年も離れたところにいる宇宙人たちの会話]

【高エネルギー反応を検知シました。】

【どコカラダ?座標ヲ特定シロ。】

【了解デス。......座標特定完了。ドウやラ地球ト呼バレル星カラノ反応ミたいデス。原因は不明。】

【そノエネルギーは我々にとって脅威トナルカモしれない。スグニ、偵察兵を地球へムカワせろ。原因ヲ見つけダスンダ】


(放課後の学校にて。)

『おい。何してんだよ。ミウ。』

人が一人入れるぐらいの、長方形の形をした機械をミウがいじくっている。

もの凄くメカメカしい。

「ふっふ~ん!何だと思う?」

なんだよ。そのふっふ~んって。腹立つな。

『どうせろくな物じゃないんだろ?』

「そんなことないよ!」

『そんなことないよって......。なんでそんな風に自信をもてるんだよ....。今までのことを忘れたとはいわせんぞ?』

またなにかしでかしそうだな。

「だ、大丈夫だよ。今回こそは上手くいくから。物は試し!まずはこの機械の中に入ってみて!」

『はあっ!?入るわけないだろ!』

得体の知れない機械の中に入るなんて絶対にいやだ。

コイツが作った物ともなれば、なおさらである。

「しょうがないなぁ。じゃあ、私が代わりに入るよ。」

そう言うと、機械の扉を開けて、入っていってしまった。

「チヨちゃん。中からは機械操作できないから、ボタン押すの任せるねぇ!」

『ボタン?この赤いボタンか?』

「違うよぉ。緑のボタンだよぉ~。」

ポチッ

言われるがまま押してみる。

(ガコン。ガコンガコン。)

すると、機械が変な音を発し始めた。

『お、おい。大丈夫なのか?なんか変な音が鳴っているんだが.....。』

「.........。」

返事がない。

『聞こえてないのか!?本当に大丈夫なんだろうな....。』


しばらくすると、音が鳴り止んだ。

機械の扉が開く。

(シュゥーーーーッ)

中から煙りとともにミウがでてきた。

「チヨちゃん。待たせてごめんね。」

ミウの声にしてはなんか低いような。

『声どうしたんだ?なんか男みたいな声になっているぞ。その機械のせいなのか?』

「フッフッフッ....。これはねぇ。入れたモノを反対のモノにする装置!”半グレ丸”なんだよ!」

『反対のモノにする?....ってことは有機物が無機物に変わったり、坊主の人がロン毛になったりするってことか?』

なんかややこしいな。

「そうっ!そういうこと!」

しかしミウを見てみても声以外、得に変化があるようには見えない。

『ミウ.....お前まったく変わってないぞ。』

「無茶苦茶変わってるよぉ。よいしょっと。」

そう言うとミウは、いきなりズボンを脱ぎ始めた。

そして下半身を見せつけてくる。

『待て待て!なにしてんだよ。』

「ほらっ!みて!チヨちゃん。」

『はぁ...?なに言って.....。お前、それは....。』

ミウに、付いてないはずのものが付いていたのだ。一瞬頭が真っ白になる。

「どうだ!女から男に変わったんだ!これが証拠さぁ!エッヘン。すごいでしょ。」

『ぎゃああああああああアアアアアアアアアアアアア』

あまりにも衝撃的なモノをみてしまい、情報処理が追いつかない。だんだん、意識が遠のいていく。



『はっ!?』

「おっ!チヨちゃんおはよー。30分間ぐらい寝てたけど大丈夫?」

ミウの声が元に戻っていた。

『寝てたんじゃない。お前が変なのを見せつけてきたせいで、気絶してたんだよ!』

「てっきり寝落ちしたのかと思ってたぁ。....ごめんねぇ。」

あの場面で寝落ちってありえないだろ!

『はぁ....。』

まあ世界を滅ぼす機械とかじゃなかっただけ、マシだったと考えるべきか。

『もういい。とっとと帰るぞ。』

「え~っ。もう帰るの?」

『疲れたし帰る。』


部室の扉を開けて出ようとする。

あれっ?

なぜか扉がびくともしない。

鍵は.....開いている。

これもミウのしわざか?

『おい。ミウ。いい加減にしろ。扉をすぐ開けるんだ。』

「わ、わたしはなにもしてないよ!」

『嘘つけ!』

「ほ、ほんとうだよぉ!....それよりもチヨちゃん。なんか外が変な感じになってるよぉ。」

『話をそらすな。』

「そらしてないって。見てみてよぉ~。」

半信半疑で窓をのぞく。


本当だ。

赤いモヤみたいのがかかっている。

『ど、どうなってんだよ。』

【我々ガ貴方達ヲ閉ジ込めまシタ。】

無機質な声が部室の中で響く。

「チヨちゃん。今の声なに?」

『し、知るかよ.....。誰だ!私たちになんのようだ!』

いきなり小さな黒い点みたいなのがでてきた。

それが徐々に大きくなっていく。

遂に黒い物体が部室の大半を覆ってしまった。

このままいけば、私たちも飲み込まれるだろう。

「なにこれぇ~?絶対ヤバいやつだぁぁ!」

ミウが慌てふためいている。

【コンニチハ。地球人。我々ノ名前は”レイ”。宇宙全体を支配スルモノだ。お前達には聞きたい事がアル。】

その声に反応するように、黒い物体が消えていく。


さっきまで黒い物体が覆っていた場所になに者かが立っている。

明らかに人ではない。

だが高度な知性を持っていそうな見てくれをしている。

あいつが私たちに話かけていたのか....?














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