第11話宇宙の支配者vs地球の破壊者の親友

【フッフッフッ。相当慌ててイル様だナ。3分後殺してやるカラ覚悟シトケ。ミウとチヨ。】

『な、なんで私も殺しの対象に入っているんだ!?』

【我々の存在を知ったモノを見逃すワケナイだろ。】

最初っから殺すつもりだったのかよ。


「うわあああん、あああああああん!ああああああああああああ。」

そう言いながらミウは、無謀にも宇宙の支配者のところへ突っ込んで行く。

自分が殺されるという状況に耐えられず、頭がおかしくなったのか!?(元からおかしいけど)

『やめろ!死ぬ気か!?止まれ。ミウ。』

【そうダゾ。我々に近づいたダケデ、即死スルゾ。止まった方が賢明ダロウ。】

近づいただけで、即死!?

こんな化け物倒せるわけない。

「うわあああああん。あああああああああああああああああああああああああん!!」

それでもミウは止まらない。

【もう一度忠告スル。我々はお前を瞬殺スル手段がアル。止まった方が】

「うわああああああああああああん。」

【お、オイ聞ケ。我々の話を聴くんダ!!止まれ!!】

あれ?なんかビビってないか?

「うわあああああああん。ああああああああああん。ああああッ!!」

【な、なんだ?来ルナ!やめロ。止まれエェェェッ。】

ゴンッ。

きれいなタックルが宇宙の支配者に命中した。

ミウにぶっ飛ばされて、教室の壁へとたたきつけられる。

【ウガアアアアッ。ヨクモぉぉぉ!】

「そ、そんな。渾身のタックルさえ効かないなんて....。」

『そうか?ウガアアアアッとかも言ってるし、結構効いてるんじゃないか?』


【オノレェェェッ。だがな。地球人ごとき、我々が変身スレバたやすく殺せル。3分後に血祭りに上げテヤル。】

『.....ってことは3分経つまでは殴り放題ってことか?』

宇宙の支配者の顔が凍り付く。

【く、くるな!近寄るだけで即死ダゾ。オイ!聞いてんのカ!?止めろオオオオッ】




『よし。このぐらいボコボコにしとけば、当分の間は目を覚まさないだろう。』

「.....チヨちゃん。怖い。怖いよぉ~。無表情で殴ってたぁ...。」

『仕方がないじゃないか。無我夢中だったんだよ。3分経つ前に倒さないといけなかったしな。』

宇宙の支配者(笑)の顔面は腫れ上がっており、原型が分からない。

ちょっとやり過ぎた気がするけど.....。

『でもコイツが目を覚ましたら、私たちを殺○しに来るだろうな....。仕方がない。....殺られる前に殺るしかないか。』

「ちょ、ちょっと待ってよ!チヨちゃん。殺すのはダメだよぉ!大丈夫。私に任せておいて...。」





【地球人。バンザイ。素晴らしい方々。我々ヨリモ尊い。】

『なるほど。ミウにしては考えたな。』

「“性質を逆にする機械”半グレ丸にかかれば、私たちに対する憎悪も反転するってわけだよぉ~。」

憎悪が親しみへと変わったのは分かるんだが....。

【ミウ様。チヨ様。マジゴッド。】

この変わり様。なんか気持ち悪い。

『......早く帰ってくれ。宇宙の支配者。』

【分かりまシタ。デハまた会いまショウ!】

そう言って消えていった。

「これにて一件落着だねぇ。チヨちゃん。」

ゴツンッ。

「殴ったぁぁ。ひどいいいい。いつもよりゲンコツの威力高いしぃ...。」

『お前はもっと自分がしてきたことを自覚しろ。』

「ううっ。」

『それだから毎回毎回.....』

それから1時間みっちりと説教を行った。

いくらミウでもこれで懲りただろう。



確かに今回も危なかった。

だけどなんだかんだ言って、切り抜けることができる。

そしてこれからもそうなんだ。

この時はそう思っていた。

しかしそういう私の考えは、甘すぎたということを思い知らされることになる。


「なんか意味深な文章だねぇ。チヨちゃん。」

『メタ発言するな。』





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