第2話人類滅亡の危機

「フンンフンフンフフフ~ン♪」

『どうしたんだ?お経なんか唱えて...。』

「お経じゃないよぉ~!歌だよぉ。チヨちゃん。」

『朝からご機嫌そうだな。またなんか変なことでも思いついたか。この前みたいに地球壊しかけんじゃねぇぞ。』

「わかってるって!!」

ほんとかよ。

「ところでチヨちゃん。なんか疲れてそうですねぇ~。慣れない学校生活が原因ですかぁ?」

『お前が原因だ。自覚ないのか?』

「うっ...。そ、そんな疲れてるチヨちゃんのために作った物があるんだ。放課後、楽しみにしといてねぇ~。じゃあねぇ~。」

騒がしいやつだな。

~~~~放課後~~~~

ガラガラガラ。

『悪いな。ミウ。先生に頼まれごとされて、ちょっと遅れた。』

「チヨちゃん!教室入る前にこれ着て!」

『なんだこれ?バイオハザードに出てくる防護服みたいだな。』

「とりあえず着て!」

~~~~~~~~~~~

『どうしたんだ?こんなの着せて。』

見渡してみても、教室に変わったことは特にないな。いつもの大きめな黒い机と椅子とホワイトボードと縄で縛られた田中がいるだけで...。ってなんで田中、しばられてんだよ!

『お、おい!なんで田中が...。こういうのが趣味だったのか?ミウ。』

「ち、ちがうよ。これには深い事情が...。」

『何が起きてんのか説明しろ。』

「えっとね。最近疲れてるかなぁって思って、チヨちゃんのために栄養剤を作ったんだ。その栄養剤が使えるかどうか確かめるため、田中にそれを試してもらったんだけどぉ...。」

人体実験かよ。

「間違って栄養剤じゃなくて、ヤバい薬を作ってしまっていたみたいで...。それを試した田中は...。」

『ど、どうなったんだ?』

「アホになってしまったんだ。」

『はぁ?どういうことだよ。』

「言葉通りだよ...。田中に話かけてみれば分かると思うよ。」

『おい!田中。大丈夫か?』

【うへへへへへへ。】

『何笑ってんだよ。田中。』

【ワンダフルゥーーーーフォーーー】

『し、しっかりしろー!田中!』

【おっぱい。おっぱい。】

「私が作った薬...なんか摂取した人の知能を著しく低下させるみたいなんだよ。あと、薬の使用者に触ってしまうとアホになってしまうみたいなんだ。だけど、この薬の本当に恐ろしいところは別にあるんだよ。」

『この薬の本当の恐ろしさ?』

「うん...。この薬を使った人は30分後、防護服を着ている人以外の知能を、著しく低下させるアホ音波を世界中にばらまくんだ。いろんな電化製品を利用して...。」

『なんつーもん作ってんだよ!世界滅びるじゃねぇか!』

こんなアホみたいな奴が作ったアホみたいな薬で世界が滅んでたまるか!

「だ、大丈夫だよ。今、頭良くナールって薬をつくっているからぁ。それを田中に使用すれば解決するはずだからぁ。怒らないでよぉ。」

『説教は後だ。あと何分で作れるんだ?その頭良くナールって薬は。』

「あと15分ぐらいだよ。ちょっとギリギリかもなぁ。」

ガラガラガラ。

「こんにちは。部活がんばってますねぇ。」

うわっ。なんで校長先生が来るんだよ。

「こ、顧問が来た。どうしよう。チヨちゃん。」

この人が顧問?校長を部活の顧問にできんのか?

「ん?なんで田中君が縛られてるんですかね?今縄をほどいてあげますからね。」

『校長先生!だめです!田中に触れないでくださ...。』

【アホ。アホ。アホ。】

クソッ!遅かったか。

「ま、まずいよ。チヨちゃん!校長先生を早く縄で縛って!この教室から出したらヤバいよぉ。」

『わ、分かってる!おらあああああ。』

よし!縄で縛れた!

【ウゴオオオオ】

ブチブチブチ

『う、うそだろ。縄をちぎりやがった!』

「校長先生...最近筋トレしてたみたいだからね。その成果かもねぇ。」

『クソッ!だが、コイツでどうだあああ!』

不審者が学校に来たときに使う刺股ならおさえられるはず!

【ウゴオオオオ】

ミシミシミシッ

マジかよ。刺股が壊れそうだ。

『おい!ミウ!薬はまだか?』

「あ、あとちょっとだよぉ。」

バキバキバキッ

クソッ。もうだめかもしれない。

「これをこうしてこうすれば...できた!チヨちゃん。」

『ミウ!その薬を校長にぶっかけろ!』

「はあああああああ。やああああああっ!」

【ウゴアアア】

薬をかけられた校長は気絶している。

『終わった...のか...。』

「みたいだね。また世界を救っちゃったね。チヨちゃん。」

『おい!ミウ!4月に入ってからまだ数日しか経ってないんだぞ。何回世界を滅ぼす気だ。』

ボコッ

「うえぇぇぇん。ごめんねぇぇぇぇ。世界いいいいい。ごめんねぇぇぇぇ。チヨちゃあああん。」

『はぁー。ったく....。早く教室片付けるぞ。』

「う、うん。」

これからもこいつは何度も世界を滅ぼしかけるかもしれない。そのたびに私が解決の手助けをしていかないといけなくなる...。そんな予感がしてならない。




















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る