天災と天才は紙ひとえ
酸化する人
第1話地球の危機
『今日から授業か。めんどくさいな。』
「高校生初授業!良い響きだねぇ~。チヨちゃん!。」
私の名前はチヨという。私の横の席に座っているあほ面をかましてるやつがミウ。こいつとは幼稚園のころから一緒だったが、未だになにを考えているのかさっぱり分からない。
「あ!そういえば。私、部活作ったんだぁ~。入れてあげてもいいよぉ~?」
『そうか。まぁ頑張れよ。一人で。』
「そ、そんな悲しいこといわないで。一人だけだと廃部になってしまうんだよー。入ってください。お願いします!」
『第一、新入生が部活とか作れんのか?顧問とかも必要だろ。』
ミウの顔が一瞬引きつる。
「う、うん。でもなんとかなったよ。たぶん...。」
『ほんとかよ...。何の部活作ったんだ?』
「それはヒ・ミ・ツだよぉ☆チヨちゃん!」
なんか無性に腹が立つ。
「じゃあ放課後に第5教室で集合ね。約束だよ。」
そう言って教室から出て行った。いや、入るとか一言も言ってないんだけど。
~~~~~放課後~~~~~
第5教室ってこの小さな部屋のことか。
まだ高校の校舎になれていないから探すのに手間取ったな。なんか妙に中が騒がしい。
ガラガラガラ
『おい。ミウ。どうしたんだ。気でも狂ったか。』
「ちいいいよおおおちゃあああああん。たすけてぇぇぇぇ。」
扉を開けるやいなや涙と鼻水を垂れ流しながら、ミウが抱きついてきた。
『うわっ。お前。鼻水垂らしたまま抱きつくなよ。』
「どうしよおおおおおおお。」
『ど、どうしたんだ?いったん落ち着いて話してみろ。』
~~~~~~~~~~~~~
数分間、ミウの背中をさすってやったら、だんだん落ち着きを取り戻していった。
「チヨちゃんを驚かせようとしてね。クラッカーを作ろうと思ってたんだけど...少し威力を高くしすぎてしまって...。時限爆弾みたいなのができてしまったんだよ。」
私を殺すきか!
『マ、マジかよ。クラッカーとかからなんでそんな兵器ができるんだよ。ちなみに威力は、どんくらいなんだ?』
まぁ爆弾といっても、単なる高校生が作ったものだ。そんなに威力はないだろう。
「えっとね。威力はね....。」
『机が焦げる程度か?それとも窓が割れるぐらいのやつか?』
「えっとね。ち...。」
『ち?』
「ちきゅうが壊れる程度...かな...。」
『は?今なんて?』
「だ、だから地球が壊れる程度だって...。」
『だ、大体なんでそんなに威力があるって分かるんだよ。』
「爆弾スカウターっていう爆弾の戦闘力を測れる装置があるんだけど...。それで時限爆弾の戦闘力計ったら53万って。どうしよう。」
爆弾の戦闘力ってなんだよ。
『ちなみにクラッカーの戦闘力は?』
「0.001ぐらい。」
なんで威力が5300万倍になったんだああああああ。
『爆発するまでの残り時間は?』
「爆弾の真ん中に書いてある。もう残り一分もないかも...。赤か緑かどちらかの線を切れば...停止できるんだけど。どっちかわかんない。チヨちゃん助けてぇ。」
またミウは泣き始めた。
くそっ。私が解決しないと、世界が滅びる。
チッチッチッチッ
どっちが正解だ。
赤と緑。
チッチッチッチッ
どっちが正解だ。
時間を見ると残り10秒になっていた。
もう迷っている暇なんてない。
『どうにでもなれぇぇぇぇ。』
ブチッ。
『あ...あれ爆発してない。』
「チヨちゃん。成功だよ。やったあ。止まってるよ。」
爆弾に付いている時間がちょうど1秒のところで止まっている。
「ありがとう!チヨちゃん...ってあれ?どうしたの?そんなにコワイ顔して。」
『どうしたの?じゃねぇよ!なんちゅうもん作ってるんだよ。お前のせいで世界滅びかけたんだぞ。』
ボコッ
これは正当な暴力ってやつだ。
「うえぇぇん。ごめんねぇぇぇぇ。チヨちゃあああん。」
『私に謝るんじゃねぇ。世界に向かって100回土下座しろ。』
「ごめんなさいいいい。地球さあああん。」
私が見張ってないとコイツは何をしでかすか分からない。抑止力としてこの部活に入ってやるか。
『ところで、ミウ。何の部活作ったんだよ。』
ミウの全世界への土下座が72回にさしかかったところで、質問した。
「フッフッフ。よくぞ聞いてくれたあ。我が友よ。私が作った部活は”ゴミでも磨けば価値が出る部”だよ!」
『なんだそれ...。』
わけわからん。
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