第3話ニンゲンミナゴロシ。

「チヨちゃん。お誕生日おめでとう!」

『何言ってんだ。』

「あれっ?誕生日5月1日だよね?」

『全然ちげーよ。』

「えっ?嘘ぉ~。せっかく誕生日プレゼント作ってきたんだけどなぁ。まぁいいや。日頃の感謝を込めてってことでプレゼントあげる。どうぞぉー。」

ドスーン

いやでかいな!このプレゼントボックス2メートルぐらいあるんじゃないか?というかそれどっから出した?

『こんなに大きな物、授業の妨げになるな...。』

「そうだねぇ~。じゃあ、放課後どうせ集まるからその時にあげるよ!」

『いや。だいたいこんな大きいものいら...』

「じゃあ。また放課後ねぇ~。チヨちゃん。」

...話聞けよ。

~~~~~放課後~~~~~

ガラガラガラ

「お、チヨちゃん!珍しく来るのが早かったね。」

『まぁ、今日は誰からも頼み事されなかったしな。』

「早くプレゼント開けてみてよ!」

それにしても大きいな。

『これ、どうやって開ければいいんだ?』

「おもいっきりビリ~~~ッていっちゃっていいよ。」

ビリビリ~~~

『なんだこれは?』

「フフフッ。これはね。超高性能自立思考型ロボット...名付けてロボコンなんだよ!」

見た目がペッパー君とそっくりだな。

「ロボコンに話かけてみて!」

『こいつ話せるのか?』

「そうだよ!自立思考だからね!」

『こ、こんにちは。ロボコン』

【声帯認証確認...完了。コンニチハ、チヨさま。ナニカゴヨウデスカ?】

「ほらねぇ~。どう!すごいでしょ!」

『コイツ何が出来るんだ?』

「なんでもできるよ。料理とか洗濯とか掃除とか...。基本、頼み事はなんでも聞いててくれるんだぁ。」

『まじかよ...。ロボコン。歌って。』

【了解しました。...丘~のホテルの~♪赤~い火やぁ~♪街の明かり~ぃも消えるころぉ~♪】

『す、すごいな。ロボコン。教室を掃除して。』

【了解しました。...掃除モードに切リ替エマス。】

ウイイイン。

「状況に応じて変形もできるんだぁ。もっといろんな命令してみて!」

『ロボコン。宙に浮いてみて。』

【了解しました。...ウイングモードに切リ替エマス。】

ウイイイン。

『これは...。すごすぎる。』

「どうだぁ!見直したでしょ!」

【ニン...ゲン...チョウシニ...ノルナ。】

『あれ?今なんかロボコンがしゃべったような。』

「気のせいじゃないかなぁ。ロボコンは人から話かけられない限り、話さないように設定してあるんだよぉ。」

【ニンゲン。チョウシニノルナ。】

「あ、あれ?ほんとだ。なんでだろ?なんか話してるねぇ。」

【ニンゲン。ミナゴロシ。ニンゲン。ミナゴロシ。ニンゲン。ミナゴロシ。ニンゲンミナゴロシ。ニンゲンミナゴロシ。ニンゲンミナゴロシ。】

『なんかヤバいこと言ってるけど大丈夫か?』

【緊急プログラム起動...30分後にデストロイモードに移行します。】

『お、おい!ミウ。デストロイモードってなんだよ!これまたヤバいことになってないか?』

「わ、わかんないよぉ。どうしよう。助けてぇえぇ、チヨちゃああん。」

『落ち着け!と、とにかく。このロボコンってやつを壊してしまえばいいんだろ?』

~~~~~~~~~~

『ハアハア。無駄に丈夫だな。アイツの体。』

ほうきで殴っても水をぶっかけても火であぶっても少しも傷つかない。

「どうしよぉおおお。あと残り30秒しかないいい。」

『クソッ!諦めてたまるかぁああ。』

「ごめんなさいいいい。世界いいい。ごめんなさいいいい。チヨちゃああああん。」

【30分経過...。デストロイモード起動。】

「うわああああん。ごめんなさあああい。」

『うわああああああああああああ。』

【ジン....ルイ...ヲ...滅ボシテ...ヤ...る。】

『あ、あれ?なにも...起こらないな。』

「ほ、ほんとだ。なんでだろ。あれっ?ロボコンが停止してる。」

『なんで止まったんだ?』

「不思議だねぇ.....。まぁよくわからないけど、一件落着だね☆チヨちゃん。...あ、あれ?なんでそんな怖い顔しながら近づいてくるの?」

『一件落着だね☆じゃねぇんだよ!死を覚悟してたんだぞ...こっちは!』

ドガッ

「いたいよおおおおお。ごめんなさいいいい。」

『ほんとうに勘弁してくれよ。はぁ。もう疲れたな。このポンコツロボの残骸、早くかたづけて帰るぞ。』

「う、うん。」

【ワタシガ...暴走シタ時に備えて...自爆プログラムヲ組み込んでいて...ヨカッタ。チヨさん...ミウさん...少しのアイダ...でしたが...ありガトウゴザ...いま..し...タ。タ..ノ...シかった...です。】

『あれ?今ロボコンしゃべらなかったか?』

「気のせいだよ。完全に停止してるよ。」

『そ、そうだよな。』

















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