第4話世界を壊す者ーミウ覚醒
「チヨちゃああん!どうしよぉおおお。テスト全部赤点だった。もうだめだ。世界の終わりだぁ。」
『なんでテストで点数とれないのに、時限爆弾や超高性能ロボットを作れるんだよ。』
まあ全てポンコツだったのだが。
「グスン...。わかんないよぉ。ところでチヨちゃんは何点ぐらいだったの?」
『私か?私はそんなに悪くなかったぞ。全部80点は超えた。』
「裏切りものぉおおおお!ひどいよ!親友を裏切るなんて!!人でなし!アンポンタン!」
『なんで私が責められてるんだよ...。というかもっと声のボリューム下げろよ!』
「うわああああん。誰か助けてえええ。」
『お、落ち着け!放課後、勉強教えてやるから、教室の中で叫ぶのをやめてくれ!』
「ほ、ほんとに!?ありがとう。チヨちゃん。じゃあ放課後また会おう!さらばだ。」
なんかいつもコイツに流されてしまっているような....。
~~~~~放課後~~~~~
『この方程式を連立させて....。』
「ふむふむ。」
『その解をこの方程式に入れてあげればできるはずだ。』
「ちょっと待ってねぇ~。自分でやってみる...。ん?あ!できたかもぉ~!」
『見せてみろ...。うん。完璧だな。』
「チヨちゃんの説明わかりやすい!先生よりも教えるの上手だねぇ~。ありがとう。」
『ミウが授業を聞いてないだけじゃないか?』
「えへへへへ。そうかもねぇ~。でもわかったからいいや。遊びに行こうよ!チヨちゃん。」
『まだ数学しか終わってねぇだろ...。次は英語だ。教科書開け。』
「そういえばそうだった....。なんかいっぺんに終わる方法ないかなぁ。」
『そんな方法なんかねぇよ。あったらみんな100点とれるだろ。』
「それもそうだよねぇー。うーん...。あっ!」
『どうした?なんかいらんことでも思いついたか?』
「この前作った頭良くナールって薬が、まだ残っているんだけどそれを使えばいっぺんに終わらせられるんじゃないかな?」
『お前が作るものは危険だから使わない方がいい。』
「で、でもさ。早く終わらせて、新発売のパフェとか食べに行きたくない?チヨちゃんパフェ大好物じゃん。私がおごるからさ。」
パフェ...。そういえば最近食べてないな。久しく会っていない、あの冷え冷えスイーツが恋しい。やばい。無性に食べたくなってきた。
『.......そうだな。早く終わらせることに越したことはないしな。』
「そう来なくっちゃ!チヨちゃん!頭良くナールを私にぶっかけて!」
『飲むとかじゃだめなのか?』
「それじゃあ効果が薄くなるからね。」
『それじゃあいくぞ。』
「どんとこい~。」
バシャ~ン
『どうだ?頭良くなったか?ってうわ!まぶしい!』
ピカーーーーーーーーーン!!!!!
ミウが突然輝き始めた。一体どうなってんだ?
「なんか力がぁぁぁぁぁみなぎってくるぅぅぅぅぅ。」
『うわああああああああ。』
『あ、あれ?どうなってんだ?』
「やっと起きたか。チヨちゃん。」
筋肉ムキムキのおっさんが目の前にいる。
『お、お前だれだ!あ、あれ!ミウがいない。お前ミウになんかしたのか?』
「ミウだよ。私がミウ!!」
筋肉ムキムキのおっさんが....ミウ?あの薬のせいでこんなになったのか?
「薬の賞味期限が切れてたみたいで、全く頭良くならなかったよぉ~。しかもこんな姿になっちゃった。」
『そ、そうか。無事でよかった。』
いや、無事じゃないか。
「でもね。チヨちゃん!勉強はもう終わらせたからパフェ食べに行こうよ!」
『ほんとか?見せてみろ。』
「ほら!見てよ!」
『この量を...たった数時間で....すごいな。』
もしかしたらミウは案外地頭は良いのかもしれない。
『じゃあ行くか!』
「うん。」
カランカランカラ~ン♪
【いらっしゃいませ!!ご注文は何に....。ひえっ。】
当然の反応だ。こんな筋肉ムキムキのおっさんが、女子高生御用たしのパフェ専門店に来たら、店員もビビるに決まっている。世界観ぶち壊しだ。
「イチゴふわふわパフェでお願いします!チヨちゃんはなんにする?」
『私は新発売の抹茶ガトーショコラパフェでお願いします。』
「なにそれ!?私も同じのがいい!」
【か、かしこまりました。抹茶ガトーショコラパフェを2つですね。このパフェは作るのに少々時間がかかりますがよろしいですかね?】
「え~。どうしようか?チヨちゃん。」
【み、店をどうにもしないでください。優先させて作らせますので...。】
「やったー。ありがとうございます!優しいね!この店員さん。」
『...........。』
今日もミウは世界(観)を破壊し続ける。
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