概要
異世界に近代民主国家を。そのためには運と知恵、そして武力があればいい。
ワイバーンを操り、空を舞うエルフと地を駆けるケンタウロスが支配する剣と魔法の世界。地べたを這い、足も遅いヒトや亜人は劣等種として扱われていた。ある日、主人公のリアムが住む村は何者かの襲撃を受ける。
その夜、慟哭する彼に前世――国防省教育研究幹部、つまり現代軍高級将校としての記憶が蘇った。
彼の前世にとって、異世界ファンタジー世界に蔓延る専制と隷従、圧迫と偏狭は、暴力を以て打倒するに足る『不正義』であったから、それらを永久に除去することが彼の目標となったのだ。
だが、彼には動かせる軍隊も、守るべき国家も無い。ならば、創れば良い。
自由主義国家の軍官僚であった彼の正義感と近代的知見は、大変に『洗練』されていた。リアムは、この世界に科学と平和、正義と秩序をもたらし、専制と隷従、圧迫と偏狭を駆逐し、
その夜、慟哭する彼に前世――国防省教育研究幹部、つまり現代軍高級将校としての記憶が蘇った。
彼の前世にとって、異世界ファンタジー世界に蔓延る専制と隷従、圧迫と偏狭は、暴力を以て打倒するに足る『不正義』であったから、それらを永久に除去することが彼の目標となったのだ。
だが、彼には動かせる軍隊も、守るべき国家も無い。ならば、創れば良い。
自由主義国家の軍官僚であった彼の正義感と近代的知見は、大変に『洗練』されていた。リアムは、この世界に科学と平和、正義と秩序をもたらし、専制と隷従、圧迫と偏狭を駆逐し、
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!近代国家を、つくろう。
近代国家という生き物がなぜ今世界を席巻しているのか。という事を描いている小説。と言えば簡単な話ですが、じゃあその「近代国家」とは何のもとに築かれるものでしょうか。
法?科学?国民?鉄と血?それとも別の何か?あるいは……全部?という問いを投げかけられて、じゃあそれを物語の上ででも描くのってどうやるの?広範な知識が必要では?
……となって、結局それを紙の上とはいえ描き切れる人物というものは限られてきます。
その稀有な実例。という言い方でも褒め方としては過少ではないでしょう。そう思います。
じゃあ主人公はというと俗にいえば軍人の転生者。となりますが、記憶を取り戻したのは運悪く、いや、運よく…続きを読む