空気嫁が空気読まない

ぱんく

第1話 気づけば詰んでた

「シグマ様ーーー!!」

「こっち向いてください!!」

「な、なんて麗しいのかしら。。」

全校生徒がその美しさに魅了されている。


「本日よりシグマ様が生徒会長に就任される。心してシグマ様のお言葉を聞け!!」

教育指導の先生が、生徒を様づけで呼称する。


カッカッカッ!


透き通るような白い肌。肩の近くまで伸びた美しい黒髪。

顔はとても愛らしく、切れ長の目からは慈愛の眼差しが垣間見える。

そして、男が叫びたくなるような妖艶なボディ。

彼女の一挙手一投足。一秒一秒が尊く。

この世の奇跡を目の当たりにしているようだ。


俺以外の全員が魅了されている。

この体育館の中で、俺一人が彼女を見ながら、遺書の文面を考えていた。


今日。俺の空気嫁が生徒会長に就任した。


いや、なぜだ。。

どう間違ったら、人に見られたくない物ランキング、不動の一番の空気嫁が、自分の通っている高校の生徒会長になるなんていう、絶望的な状況に陥るのか。。

わからない。。俺はただ自慰行為してただけなのに。。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る