第4話 空気嫁の誕生
ピピピピピ…ピピッ!
「「メインデータ インストール カンリョウ」」
「で、できた!!」
ついに空気嫁σが完成した!!!!
4月2日 AM2時15分
カプセルに入った165cmの空気嫁が
ゆっくりと上半身だけ起き上がる。
俺のクラス担任を模した抜群な身体。
好きな人である、学級委員長の天沢さんをイメージした匂いや顔。
性格は、唯一理解しきっている女性である、美幸の性格をインストールした。
オールスターを合わせた空気嫁。通称シグマだ。
無論。
最初のインストールが成功するとは思っていない。
身体機能や細胞の移植も失敗を積み重ねて少しづつ完成させたからだ。
さて、今回は何回で成功できるのか。。
「クシュン! …ちょっと寒くない?」
ピピッ!
シグマがリモコンでエアコンの設定温度を上げた。
「えぇ!?」
「あれ?暑い?」
「。。い、いや、寒かったかも」
「じゃあ、いいじゃん!アハッ!」
え!?ええぇーー!?
生誕からの一言目が、あまりにも自然な会話の切り口で面食らった。。
普通すぎて普通じゃない。。
だが、故障とも言い難い。
「お、おい。君の名前はなんだい??」
あまりの美しさに少し緊張しつつ、基本的なプログラムの確認を試みる。
「あんた幼馴染の名前もわかんないの?
シグマよ!シグマ!!」
「ああ、そうだよな。何歳だ?」
「あんたと同い年よ。」
「正解。じゃあ、好きな人は?」
「す、すずきーの三世。。」
「ほほう。俺とシグマの関係は?」
「私はすずきーの三世の幼馴染で義理の妹でバッチバチの空気嫁。」
。。。当たってる。
基本プログラムに以上は見られない。
ところどころ深夜テンションで設定しちゃったから変だが、これは俺が悪い。
だが、直す気はない!
「おっけ。じゃあ、今日はもう夜遅いしさっさと一発やって寝よっかな。」
「ん?何をやるの?」
「え、いや。それは…」
慈愛に満ちた愛らしい顔が、俺を真っ直ぐ見つめる。
今までの感情のない嫁しか知らない俺は、童貞力を存分に発揮して口籠る。
「ねー?何をやるの?」
さらに詰め寄られる。
考えていなかった。
感情をもたせただけで、今までやりたい時に好きなだけやっていた行為が、こんなにやりづらくなるなんて。
女性を口説くってこんなに気恥しくて難しいだなんて…
「まーいっか!なんか今日は疲れちったな〜!お先に寝るね!おやすみ〜!」
シグマはまたカプセルに横になり眠り始めた。
「お、おう。おやすみー!」
な、なんだよ!?これ!?
完璧すぎる空気嫁に緊張して自慰行為にいたれないなんて、本末転倒じゃねーか!!!
ちくしょー情けねぇ!!
明日改良して、シグマを発情期形態にして、シグマから誘わせよっと!
さらに情けない今後の方針が見えたところで、
カプセルのベットを後にし、自分のベッドで眠りにつく。
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