#ファレラレミラ ラミ#ファミラレ
#ファレラレミラ ラミ#ファミラレ
なんの音だかわかるだろうか。
そう、みんなお馴染みのあの曲だ。黄緑色を基調とするコンビニ。
昔は都会の一角にあるレアなコンビニという印象だったが、今ではどこにでもあるように思える。
俺はほぼ毎日パンやらコーヒーやら買いにそこへ行くのだが、
日常時々……?
茶目娘ファンの方なら即答だろう。
非日常!
そう、非日常は訪れる。
店の角にあるマルチコピー機に、俺の中のセンサーが作動したようだ。
大きな機械を相手に悪戦苦闘しているらしい女はたぶん……
飲み物を選ぶときに必然的にコピー機の近くを通る。
チラッと覗くと。
「ん?」
彼女の方が気づいてしまった。
「あら、奇遇ですね」
「なんのマネだよ」
「かぐや様」
「こんなところで何やってんだ」
「えとねぇ、ネップリってやつ」
「コンビニなんてどこでもあるだろうが」
「違うの、これはファミマのコピー機じゃないとダメなやつで。うちの近くローソンしかないんだから。いちばん近いファミマがここだったってだけ」
何を防衛しているのか知らないが、言い訳を百並べようと無駄である。
「言っておくが、ローソンとファミマのコピー機は同じだ」
「んなっ!そんなん知ってるわ!」
「いや絶対知らなかったろ……」
マルチコピー機の使い方なんて、そう難しいものではない。
どうして手こずるのか、理解するほうが手こずる。
それでもなんだかんだで手伝ってあげた。
プリントされて出てきたのは白髪男キャラの、メッセージ入りイラストだった。
思わず笑ってしまうと、ど突かれた。
「でもありがとね。しょうがないからファミチキをあげよう。チキンな君によく似合うね。さっき買ったから、まだあったかいと思うよ」
謎にプライドが高い女、やめた方がいい。後悔するぞマジで。
なんて言えるわけがないのだけど。彼女の言う通り俺はチキンだから。
なんだかもったいなくてすぐに食べられなかったファミチキは、もう冷たくなっていたが、ちょっとあたたかかった。
この物語には、完結もなければ終わりもないようだ。
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