青い春に《音楽》よ、響け

《ネモフィラと瑠璃》ネットを騒然とさせた二人組の音楽ユニットがこつ然と姿を消した。世間はあっというまに彼女らの音楽を忘れ、新しい音楽に関心が移っていく。
けれども「私」だけは、あの旋律をいつまでも忘れられずにいた。ヘッドフォンに閉じこもり、その曲ばかりを繰りかえし流し続ける。音に酔って頭が痛くなってもやめられない。音楽を手放せない。

「私」にとって、あの音楽は《言葉》だったからだ。


……なんて素敵な青い春なんでしょうか。
読みはじめたときはなみだのような青さが文章のあちらこちらから感じられて、読み進めるごとにそれは傷からインクが溢れだすようにぽつぽつと浸みだし、最後には晴れた空の青さに替わりました。
音楽を言葉だというその真意。ぜひとも読んで確かめてください。

最高の青い春を、読ませていただきました。

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