雨上がりの青春

タイトルにもあるように、『音楽でしか生きていけない』んです。

音楽が出来なくなったら、もう生きている意味なんてないってくらいに純粋に音楽が好きなんです。そんな人が突然音楽を奪われたら……。

これは創作家にとって、他人事ではないことのように思います。

この作品には、敢えて(と私は思いました)最後まで曖昧にしてある部分があります。それがなんだか曇り空のようでいて、でも最後のシーンでは主人公=律葉さんに確実に光が差し込んでいた。
逃げ出したくなるようなギリギリの境界で、それでも律葉さんは救われていた。音楽で生きたいと言う願望によって。

終始晴れ渡った青春じゃあなくって、雨上がりに雲の隙間を縫って光刺すような青春の方が『小説でしか生きていけない』人は共感出来る。そう思いました。

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