曇天から徐々に広がる晴れ間……そして、雷鳴轟かす豪雨はやがて晴天へ

 とても優しい小説、読み終わった時に抱いた感想は意外とシンプルだった。それでも、心に残るのは長編を読み切ったかのように濃厚な熱。

 この作者さんが書く世界はいつも寂しさの中に優しい暖かさを感じる。それが私にはとても心地いい。思わずその世界に入り込んでしまう。

 一万文字にも満たない短い文章の中で物語がしっかりと息をしていた。それは本当に難しい事。描写が減ればそれだけ感情移入しにくくなるというのに、これは本当にすごい才能だと思います。

 短編だと侮るなかれ!
 聖願心理ワールドへ飛び込め!

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