これこそが『純愛』。歪なまでに『まじりけのない愛』

 これほどまでにまっすぐな愛を見たことがない。

 これぞ純愛。ひたむきな愛。

 純愛というのは大衆にとって絶品のデザートだ。一口食べれば驚愕し、二口食べれば頬が綻び、三口食べれば虜になる。見るだけで心奪われる者もいるかもしれない。それほどに甘美で、魅惑的な代物。

 そう、純愛とは大多数の小説において肯定的な言葉。読者が渇望する『幸せ』を迎えるための重要なリソース。男女が一途に思い合い、手を取り合って温かな未来を築いていく。そんな想像をする者が多いだろう。かくいう私もその一人だ。

 だが、この作品における純愛は趣が違う。

 邪な心などない純粋な愛……それこそが純愛の意。否定する人などいないはずだ。しかし、言葉というのはしばしば二つの側面を持つ場合がある。

 純愛、その人のためなら自分の命を犠牲にしてもかまわないというような愛。

 私がこの作品を純愛、と言ったのはそのためだ。ある意味でヒロインと呼べる人物は、それほどまで誰かに愛情を注いでいる。

 だが、それだけで純愛と声高に言うには弱すぎる。もっと明確な理由が存在するのだ。

 このヒロインは、自分を犠牲にしているにも拘らず、自分が犠牲になっていると毛ほども感じていない。

 全ての行動が愛の雫なのだ。自分の行いなど省みることもない。その雫が器にどのような影響を及ぼしたのか、それだけにしか興味がない。そして、器に溜まった水が光り輝けば輝く程、歓喜にうちひしがれる。幸福が血管を駆け巡る。愛情が迸る。

 まさにひたむきな愛。それ以外には一切目もくれない。盲目な恋など生易しいと思えるほどの凝視。

 これを純愛と呼ばずして何を純愛と呼ぼうか。

 この作品を読んで幸せな気持ちになれるか、それは読者次第であるが、純愛である、という一点だけは譲ることができない。

 これ以上は物語の根幹に関わってしまうので、最後にこの素晴らしい作品を生み出した作者の方に一言述べて締めとする。

 節トキさんまじすげぇぇぇぇぇぇ!! 鳥肌立った!! こんな愛の形もあるんか!!

 みんなも是非読んでみてください!! 一万文字に満たない文字数なのでそんなに時間はかからないと思います!! それでも、文字数以上のボリュームありますよ!! おすすめです!!

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