妹が教えてくれたこと

求職中の主人公がふらりと乗った海沿いの電車。そこへ亡くなったはずの妹が乗ってきて──。
静かで淡々とした語りと、家族との会話だけで構成されている、余計なものをそぎ落とした文章。その中に一編の小さな映画を観るような感覚です。
妹がなぜ主人公の前に現れたかは物語を読めば分かるのですが、その後半のくだりには胸をぎゅっと掴まれるようでした。言葉に表すのが野暮に思えるので、その空気はぜひ本作を読んで感じ取っていただきたいです。
妹にありがとうと言いたくなるお話でした。

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