小津安二郎氏の映画を彷彿させる、そんな家族の絆を考える佳品です

若くして亡くなった妹を電車の座席で見る主人公。

妹は鎌倉の江ノ電に似た江の海線で、生前に通っていた鎌田高校からいつも乗ってきます。

心を病み、仕事をうしなった主人公はハローワークに通いながら、その妹の姿を電車内でみています。

ホラーのような設定ですが、そうではありません。

静かな語り口のなかで家族のありようを奏でるこの物語に、私は胸をえぐられました。

なぜか、読ませていただいている間。
小津安二郎氏の映画を感じておりました。舞台を鎌倉にされているからかもしれません。

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