隋煬帝外史──隋煬帝艷史──
河東竹緒
第一回 隋文帝は酒を帯びて宮妃を幸し、獨孤后は龍を夢みて太子を生む
※
前後に続いた
▼「六朝」は
この六朝を通算しますと実に350年、それぞれの王朝が国号を
▼
一方の
▼漢、趙、秦、燕は
この頃、南朝北朝ともに皇帝は弱くて臣下が強い。当然のように世は乱れに乱れ、
そんな時代もいよいよ押しつまり、南朝で陳の
※
さて、隋の
もともと魏の臣でありましたが人心の周に従うがゆえ、彼もまた周に仕えることとなりました。
戦功を重ねて
▼「封」は「
この楊堅という人は
周の
政治は
静帝は天下の人心が楊堅に
▼璽綬の「璽」は皇帝のハンコ、「綬」はそれを下げるための
※
さて、陳の後主は天下の形勢も百姓の苦労も知らず、
新たに
戸に
妖姫の
隋の文帝はそれを知ると、
この時、永らく分かたれた中国は再び統一されたのでございます。
文帝は夫人の
※
この頃、獨孤皇后は懐妊していよいよお産が近く、
皇后は読書を好んで古今の歴史に通じ、聡明な
後宮には花の
獨孤皇后のお産は文帝には
文帝が近づくと、ようやく気づいて慌てたのか珠簾を掛ける
▼尉遅迥は周の皇室の親戚にあたります。楊堅の専権に抗議して兵を挙げたものの敗れ、その一族は
文帝は娘の手を執って傍らに座らせると、
※
その間、後宮にある獨孤皇后もただ
一夜が明けると昨日のことは獨孤皇后の知るところとなり、大いに怒った皇后は数十人の供を従えて仁壽殿に向かいます。
仁壽殿では尉遅迥の孫娘が髪を
早朝より政務に
「陛下は
獨孤皇后の呼びかけを聞いても恨み怒りの心は静まらず、かといって皇后を責めるのは恐ろしい。顧みることもなく前殿に向かうところ、宮門を出れば一頭の馬を
文帝はその馬に
※
文帝は戦場経験もある馬の名手、馬を走らせれば衛兵も止められません。宮城の誰もが慌てふためくところ、
▼左僕射は正式には
二人は騒ぎを聞きつけると、すぐさま馬上の人となって文帝を追います。二人も歴戦の将でございます。飛ぶように馬を駆ること三十余里、ようやく追いついて文帝の馬の
「お一人で駆けられるとは、なんぞ急事でもございましたか。臣らは心配でなりませぬゆえ、その故をお聞かせ下され」
二人が馬前に伏して問えば、文帝はため息混じりに獨孤皇后が尉遅迥の孫娘を打ち殺した経緯を語って聞かせます。
「
高熲が
「陛下は思い違いをしておられます。心身を労してたびたび大軍を
文帝はその言葉を聞き、
そこに文武の百官も追いついてきます。
※
宮城にある獨孤皇后もさすがに平静ではいられず、後宮に戻ることなく宮門の内で宦官に文帝の行方を探らせておりました。しかして文帝の行き先は
日暮れの頃にようやく文帝が戻ってくると獨孤皇后は駆け寄り、地に身を伏せて罪を謝しました。
文帝は日ごろ頭が上がらない獨孤皇后が罪を謝する姿を見て
獨孤皇后は常になく文帝の世話を焼き、気をよくした文帝は珍しく泥酔して寝宮に引き取ります。それを見送ると皇后も後宮に帰って床に就きました。
夜半、腹の中から大きな
そこに
皇后が驚いて飛び起きればすべては夢のこと、心中に
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