少女は風のように舞い、旋風の如く戦い、そして生きる。嵐を巻き起こし!

少女は舞う。
傭兵という荒ぶる男共が集まる世界で。力がものをいう不条理な世界で。
実態を持たぬ風のように舞踊る。相手にその身を掴ませず、時に優しくそよぎ相手に寄り添い、時に激しく吹き荒れ相手を吹き飛ばし。

少女は戦う。
命をかけた戦場で。己の誇りをかけた人生という戦場で。
熱気をはらんだ旋風の如く駆け抜ける。得意の武器を巧みに操り、身体を砕き、心を砕く。

少女は生きる。
己を縛るしがらみすべてに抗いながら。己自身の生き方に誇りを抱き。
それこそ自らを嵐と化し吹き荒れる。共に戦う仲間を巻き込んで、己が存在を主張するかのように。

少女は癖の強い傭兵の男たちに囲まれ、戦いの中を駆け抜け、自身の誇りを貫いていく。
少女がどんな道を歩むのか、彼女の生きざまを最後まで私は見届けたいと思う。


丁寧な描写、リズムの良い文章で読みやすい。特に人物描写、戦闘描写は綿密に描かれている。まるで目の前で演武が行われているかのようだ。
そして、その描写を実に盛り上げるべきところに上手くはめ込んでくる物語全体の構成力にも目を見張る。
構成の緩急が上手くつけられているので、盛りあがるべきところが読者の想像以上に盛り上がる。

是非、御一読を!

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