死神見習い『黒羽』は魂を狩るため、鎌を振り上げる。見えないものを見る少女『雫』は立ち塞がる。二人にとって大切な人の側で。インパクトを持たせるスタートから、三人のここまで至るまでの描写が、切なさを含んでとても印象深い。黒羽と雫が共にくれしていた時のストーリーや、続きへの妄想が膨らむ魅力的な短編。
死にそうな兄の魂を奪おうとする死神黒羽と高校生の主人公。主人公の魂を奪おうとする死神にこそ暗くて悲しい過去があったのだった……。読んでいる時、「百合かな?」と思って読んでいましたが、百合以上の絆で結ばれた二人がそこにはいました。そのやりとりが尊い。ひたすらに尊い。その上切なくて、思わず涙が出そうになりました。