主人公は他者には見えない壁が見えていた。それも、特定の相手の前に存在する壁。純文学系の見事な短編作品。叔父に対する生理的な嫌悪感を臭わせつつ、壁を壊す一歩を踏み出させるその瞬間までを、流れるような文章と展開力で魅せている。たいへん学びどころのある良作。純文学を書いてみたいと思っている方には、特に一度お読み頂きたいと思える作品。
終わり方が絶妙ですね……インモラルな主題を取り扱っているわりに、凄く後味が良かったです。1点述べるとすると、「青臭い」っていう表現は直接的かもしれません。「臭い」と「匂い」で二重にかかっていますからね。栗の花とか、キンモクセイとか……それとなく示す表現が良いかな?っと感じました。しかし、何故か爽快でした。今後も勉強させていただきます。
読んだ瞬間、世界観に惹き込まれる不思議な作品でした。読み進めていくうちに『あー、コレもやもやして終わる展開かなぁ』と思っていたのですが、良い意味で裏切られました。うわー!そうきたかぁと。読後感は嫌な感じではありません。むしろ爽快、みたいな。私は近親相姦は得意ではありませんが、この作品はそういう方にも興味を持ってもらいたいなって思いました。ホラーというより主人公の"心"を辿ったヒューマンドラマだと感じました。
面白かったです!夢中で読んでしまいました。家族の不安定さやホラー要素が、主人公の日常に自然に溶け込んでいて、違和感を感じずに楽しめました!ラストが好きです!!