第12話 1年5組 山口 海里

17:17



「お前も早く来なよ。」


なにがお前だえらそーに。

言っとくけど芳根ちゃんはお前が主犯だと思ってるからな、と言おうとしたけどやめた。


それにしても小西の馬鹿が出てくるのが遅くて気になる。

まさか女子に見付かったか!?


そしたら俺に名前を出しそうだ。それはまずい。


様子を見に行こう。


俺は小西を忍ばせている女子トイレ前にいった。

中からは女子二人の声がする。


「だから──だってぇ。」

「でもー─は──だから──かもしんないし…」


所々聞き取れないけどどうせ恋バナだろ?

中一で恋バナとか馬鹿なの?

てか俺以外ろくな男子いなくね?


あーもう!恋バナはよそでやれや!

小西が出てこれねーじゃん!


小西がスマホを持ってればまだ良かったけど…。

くそ、あの貧乏家庭め。


どうする。小西を放置したまま話し合いが始まっちゃったらちょっと心配だ。

小西はどーでもいいけど、あいつは問い詰められたら俺の名前を出す。


どうする、誰かに助けを求めよう。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る