18:15

誰もいなくなった女子トイレ前の廊下。

山口くんだけが床に突っ伏している。

可哀想に。

父親も先に帰っちゃったのかな。

『山口くん。』

山口くんに声をかける。

『………前田…』

山口くんが顔をあげた。泣いていた見たいだ。

言おう。

ちゃんと。

『山口くん、山口くんは盗撮犯じゃないよね？』

山口くんは驚いてる。

『私知ってるよ。私先月は毎日の様に今日みたいに放課後市野さんとトイレで話込んでたから。山口くんはいつも私達より先に帰ってたもんね？１回だけ片平先生に見付かって早く帰れって怒られたけど、私ほんとに毎日放課後トイレにいたからわかるの。山口くんは犯人じゃないって。』

『………前田…なら…それを皆に…──』

山口くんは言いかけた。

そこで私は言ってやった。

『言うわけねーだろ糞野郎！！！！一生盗撮犯の汚名を被っとけ！！！』

言ってやった。

あー、スッキリしたっ。

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