第34話 1年5組 小西 真
17:54 女子トイレ
「片平先生、芳根先生は?」
『ああ……いなくなったぞ。』
僕はドアを開けた。
片平先生は目をむいた。
僕が、片平先生の仕掛けたカメラを手に持っていたからだ。
『おおおおおまっ…!』
『しー!先生、外に聞こえちゃうよ。これ、先生のでしょ?』
『しらっ、知らんよそんなもの!なんで俺のなんだ!?』
『これで中を盗撮してたんですよね?だから中にいるのが僕だって分かったんですよね?』
『い、いや、俺はただ、お前が入っていくのを見かけたんだ!』
『じゃあさっきの「馬鹿なことはやめて」っていうのは?』
『そっ!それは…女子トイレに侵入するなんて馬鹿なことはやめろといういみだ…』
『あそ。じゃあこのカメラ、警察に提出していいですか?そしたらこれが僕のじゃないって分かると思いますよ?』
これに関してはほとんど適当だ。だけど片平先生には効いたみたいだ。
『………貸せ。』
『いやだ。』
『貸せ!!貸してくれ!!』
しばらく揉み合いになる。
『先生…取引しません?証言者になってくださいよ。』
『な、なに?証言?』
『仕掛けてあったこのカメラは山口くんのだって。こうゆう筋書きです。先生は山口くんと僕がここにいるのを見付けて咎めた。山口くんは逃げたけど、僕は咄嗟に個室に籠もった。山口くんは僕を引き連れて盗撮用のカメラを設置するところだった。皆は僕が虐められてるのを知ってます。僕と山口が一緒にいたらどっちが主導してるか一目瞭然です。ちょっと苦しいけど、この筋書きを皆に言ってください。』
『し、信じるだろうか…?』
『先生の演技力次第です。芳根先生も巻き込んじゃえば?ってゆうか、やらないとヤバいのは先生なんじゃない?』
『わ、わかった。やってみる…。』
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