第10話 教師 今井文也

17:13職員用トイレ


「今日の話し合い大丈夫なんでしょうね?上手く運んでくれるのよね?ちゃんとやりなさいよ!」

神波の母親からのラインメッセージだ。


似たもの親子め。

そんなに気にするなら他人にちょっかいなんか出すなよ最初から。

根は小心者のくせに。


とは言えこの母親には逆らえない。


神波尚子は歳が2つ上で、同じ中学で俺が1年生の時の先輩だ。


俺の同じ中学の奴らは総じて俺の「あの秘密」を知っている。


「大丈夫です。主犯は山口だと認識しています。」

そう返信した。


これは事実なのだから別段おかしい内容ではない。

が、何故か芳根は山口主犯説を頑として受け入れない。

何故だ?

陸上部のホープで秀才だからか?

そう言えばあいつの家庭は金持ちでもあるが。


17:16

いよいよ時間も差し迫った。


もういい。屁は出ない。今出ないのだから話し合い中も出ないと信じよう。


ジャーーーー


俺は何も排泄していないが一応水を流した。


よし、いざ戦場へ!


あれ?


鍵が開かん!!

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