概要
拙作が書かれたのは、まだスマホが登場する前のことです。
よって、当時の社会背景が色濃く反映されています。
現代の考え方や規則とズレがあることも、時代背景としてご理解頂ければ幸いです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!今この瞬間の大切さ
まるで民俗学だ。
初見で思ったのは、まずこれだった。
細かな設定は、どこまでが実際に語り継がれているものなのか。
どこまでが作者によって作り出されたものなのか。
知識を詰め込むように、読み進めていった。
鬼と式。
大切な人を奪われてしまった事への復讐と、大切な人が向かう先を案ずる思い。
集められた東西南北に指名された者たちは、それぞれが苦しい現実の中を生きていた。
心がとても苦しくなる場面につらさが覆いかぶさり、悔しさに身もだえもした。
世の中の理不尽が読者を物語りに引き込んでいく。
人は、醜く弱い。
甘い言葉を信じ、ふらりと近寄ってしまう。
何が本当で何が嘘なのか。
判断力が鈍るほどの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!力を持ち得た者たちの物語は不快に美しく
ううぉー(感嘆のため息)最新話まで拝読しました。ものすごく面白かったです。
この面白さは間違いなく夷也さんでないと出せない持ち味ではないかなと。
人間を掘り下げるように暗く陰鬱な部分をしっかりと描いて、それを面白さに繋げていく。これがオリジナリティだよ、と私は思います。
前回拝読した『獏の見る夢』もメチャクチャ面白かったんですが、こちらも凄まじいものがあると思います。
式という鬼を飼い、蔓延る鬼を式に食わせる能力者のお話なんですが、肌に纏わりつくような不快の描写が素晴らしく、微妙な心の機微を描いて読者の心を物語の中へと引きずり込む。目に浮かぶ、鮮やかなまでの文脈に惹きつけられてゾクゾクする…続きを読む - ★★★ Excellent!!!式使い達が集う、伝奇ファンタジー
神代の御代、黄泉平坂で恋しい夫にイザナミノミコトは呪詛を放った。
「いとしいわが夫(せ)の君よ。こんなことをなさるなら、私はあなたの国の人を一日に千人絞め殺しましょう」
それに対し、イザナキノミコトは呪詛返しを行った。
「いとしいわが妻の命よ。あなたがそうするなら、私は一日に千五百の産屋を建てるだろう」
こうして放たれた鬼たちが、ひとの生命を喰らい続ける――
感情を麻痺させて常にgive & takeで生きる千砂は、「受信」現象に悩まされていた。ある日「何か」に狙われた彼女を救った令は、式「犬」を使う式使いだった。彼は千砂にも「鶏」がいると言う。
親にも級友たちにも疎んじられる少女・巴は、…続きを読む